USA D・K・ウィップル
(Kenneth Duane Whipple)

鍾乳洞殺人事件
「鍾乳洞殺人事件」
(1934年)
(扶桑社)

 アメリカのミステリー作家。1920年代から30年代にかけて様々な雑誌に短編作品を発表し、またミステリ長編も1933年から35年までの間に3つの作品を発表していますが、現代では既に忘れられた作家となってしまっていて、また詳しいプロフィールもほとんど分かっていません。

 日本では戦前に第2長編の「鍾乳洞殺人事件」が邦訳され、黒白書房の世界探偵傑作叢書でも刊行されましたが、注目すべきはその邦訳を金田一耕助シリーズで有名な巨匠・横溝正史が担当している点です。

 そしてこの「鍾乳洞殺人事件」は金田一耕助シリーズの代表作の一つ「八つ墓村」の構想に影響を与えたと言われ、同長編の中には”鍾乳洞を舞台にした探偵小説”と「鍾乳洞殺人事件」を指すと思われる記述も出てきます。


■作家ファイル■

出身地
アメリカ
生没
1894年4月11日?~1973年
作家としての経歴
1933
第1長編「The Murders at Loon Lake」を刊行
1934
横溝正史の金田一耕助シリーズの長編「八つ墓村」の構想に影響を与えたとされる第2長編「鍾乳洞殺人事件」を刊行
シリーズ探偵
-
代表作
「鍾乳洞殺人事件」

■著作リスト■

【長編】

No. 事件名 発表年 邦訳 備考
1 The Murders at Loon Lake 1933 -
2 鍾乳洞殺人事件 1934 扶桑社ミステリー0469「昭和ミステリ秘宝 横溝正史翻訳コレクション 鍾乳洞殺人事件/二輪馬車の秘密」('06)
黒白書房 世界探偵傑作叢書5('35)
探偵小説'32.5
3 The Fires at Fitch's Folly 1935 -

【その他の雑誌掲載作品】

No. 事件名 発表年 邦訳 備考
1 The Darker Brink 1922 -
2 Dedication -
3 That Psychology Stuff -
4 The Secret Fear 1923 -
5 Crisscrossed 1924 -
6 The Right Answer 1926 -
7 Stubby Tells It to the Marines 1927 -
8 The Braggart 1929 -
9 Jigsaw 1933 -
10 The Loon Lake Horrors - 長編1か
11 The Locked Vault Killing 1936 -
12 Fires at Fitch's Folly - 長編3か

【参考】「横溝正史翻訳コレクション 鍾乳洞殺人事件/二輪馬車の秘密」(扶桑社 扶桑社ミステリー)
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