エドガー・アラン・ポオ
(Edgar Allan Poe)

　エドガー・アラン・ポーとも表記。アメリカの最大の文豪。また詩人として、文芸批評家としても高い才能を発揮しました。小説の方もミステリだけにとどまらず、SF・怪奇・幻想・ユーモアと様々なジャンルの作品を残しています。

　マサチューセッツ州のボストンで俳優の父親デービッド・ポオと女優の母親エリザ・ポオの間に生まれますが、ともに彼が３歳の時に他界し、バージニア州リッチモンドで商いを営むジョン・アランに養子として引き取られ、以後エドガー・アラン・ポオを名乗るようになります

　その後イギリスと地元の学校で学んだ後バージニア大学に入学するも10か月ほどで中退。1827年、弱冠18歳の時に詩集「タマレーン、その他の詩」を匿名で自費出版しています。
　同じ年にはエドーガー・Ａ・ペリーの偽名で合衆国陸軍に入隊し２年の軍隊生活で上級曹長まで昇格しますが1829年には除隊しています。またこの年第２詩集となる「アル・アーラーフ、タマレーン」を出版しています。

　1830年に前年入学していたウェスト・ポイント陸軍士官学校を放校処分となると、メリーランド州のボルチモアに移住しますが、この頃から生活のため創作活動を活発化させるよになり、1833年には短編小説「壜の中の手記」が懸賞小説に入選しています。

　1835年から37年まではリッチモンドの〈南方文学新報 (The Southern Literary Messenger)〉の雑誌編集長を務め、1839年からは〈バートンズ・ジェントルマンズ・マガジン〉の共同編集者となり、編集以外にも小説や記事をの執筆も手掛け、また批評家としても活躍しましたが、やがて共同編集者のバートンと衝突。その後版権は買い取られて〈グレアムズ・マガジン〉としてスタートし、彼も編集と執筆に参加しています。

　1842年に妻ヴァージニアが病いで伏せると看病と創作活動に専念するため雑誌社を去り、またこの頃から過度の飲酒状態に。その後ニューヨークに戻って雑誌〈ブロードウェイ・ジャーナル〉の編集長を務めたり〈イブニング・ミラー〉紙などで活躍しますが、1847年に妻が亡くなると精神状態も一層不安定となり、それからわずか２年後の1847年にボルチモアの路上で倒れている所を発見され、40歳の若さでそのまま帰らぬ人となったのでした。

　様々な分野で偉大な業績を残したポオですが、1841年に発表した短編小説「モルグ街の殺人」が推理小説というジャンルの始まりだといわれています。　そのためポオは”推理小説の父”とも呼ばれています。　また日本を代表するミステリー作家江戸川乱歩のペンネームもポオの本名からとったものです。