イギリスの作家で「伯母殺人事件」の著者。 「伯母殺人事件」は、黄金時代の作家アントニイ・バークリーがフランシス・アイルズ名義で発表した「殺意」、同じく黄金時代の代表的作家F・W・クロフツの発表した「クロイドン発12時30分」とともに〈倒叙三大名作〉の一つに挙げられています。
高校卒業後第一次大戦に召集され、陸軍歩兵大隊・機関銃隊に所属。その後1920年初頭から勅許会計士の事務所に勤務して、やがて独立して会計士事務所を設立します。
作家になったのはフランシス・アイルズの「殺意」を読んで感銘を受けたからだそうで、こうして書かれたのが1934年に発表された「伯母殺人事件」でした。
以後は会計士として活躍しながら、その傍ら20年間で15編の長編を発表しています。
ハルの作風は技巧を凝らした叙述トリックと独特のブラック・ユーモアが特徴と言われています。諷刺の効いたジョークはアントニイ・バークリーと共通するものがあり、どちらもひと癖もふた癖もある作家といえるでしょう。
No. | 事件名 | 発表年 | 邦訳 | 備考 |
1 | The Murderers of Monty | 1937 | - | |
2 | 善意の殺人 | 1938 | 原書房 ヴィンテージ・ミステリー・シリーズ('06) |
No. | 事件名 | 発表年 | 邦訳 | 備考 |
1 | 伯母殺人事件 (伯母殺し) |
1934 | 創元推理文庫125-1 早川文庫86-1 HPB359 東京創元社 世界推理小説全集64('57) |
倒叙三大名作の一つ 乱歩の1935年以降の長編ベスト10・2位 |
2 | 他言は無用 | 1935 | 創元推理文庫125-2 | |
3 | Murder Isn't Easy | 1936 | - | |
4 | The Ghpst It Was | - | ||
5 | And Death Came Too | 1939 | - | |
6 | My Own Murderer (わたしを殺した者) |
1940 | - | |
7 | The Unfortunate Murderer | 1941 | - | |
8 | Lest-Handed Death | 1946 | - | |
9 | Last First | 1947 | - | |
10 | Until She Was Dead | 1949 | - | |
11 | A Matter of Nerves (神経の問題) |
1950 | - | |
12 | Invitation to an Inguest | - | ||
13 | The Martineau Murders | 1953 | - |
No. | 事件名 | 発表年 | 邦訳 | 備考 |
1 | Mrs. Brierley Supplies the Evidence 誘導訊問 (語るに落ちる) |
EQMM'61.10 EQMM'58.2 |