イギリスの推理小説家・脚本家で、イアン・ランキンとともに現代イギリス警察小説の代表格とされています。
ロンドンで生まれ、石油会社の社員として働くかたわら、余暇を利用してラジオの脚本や連続ドラマ、コメディ映画の台本などを書いていましたが、のちに専業の脚本家となり、1984年に「クリスマスのフロスト」で推理作家としてもデビューします。
作品数はけっして多くはありませんが、深みのある筋立てとテンポのよい語り口、そして何よりも個性的でひと癖もふた癖もある魅力的なキャラクターが読者を楽しませてくれます。
その作風はJ・J・マリックが生み出した同時多発的に発生する複数の事件を描いていく、いわゆる〈モジュラー型〉の警察小説で、複雑なプロットを鮮やかにラストで纏め上げるその手腕は高い評価を得ています。
フロスト警部ものは本国イギリスではTVドラマ化され驚異的な視聴率を記録し、原作だけでなくTVオリジナル作品も多数作られて大好評を博しています。
【参考】「クリスマスのフロスト」(東京創元社 創元推理文庫)