007号の生みの親
イギリスの推理小説家で、あのアメリカのジョン・F・ケネディ大統領も大ファンだったという007号こと〈ジェイムズ・ボンド〉シリーズの生みの親です。
イギリス、ロンドンの国会議員の家庭に生まれ、高等教育を受けたエリートで、ミュンヘン大学およびジュネーヴ大学で学んだ後、最初はロイターのモスクワ通信員として活躍していましたが、第二次世界大戦が勃発すると海軍情報部に所属してスパイ活動に従事するようになります。
そして終戦の後しばらく小新聞社の外信部長を務めていましたが、やがて1953年になると自身のそれまでのイギリス軍におけるスパイ活動の経験を活かして〈ジェイムズ・ボンド〉シリーズ第1作となる長編スパイ小説「カジノ・ロワイヤル」を発表します。
スパイ小説としての要素に加え、大人の娯楽である酒、タバコ、料理、美女、銃、車、賭博、ゴルフなどについても、筆者の深い教養に基づいて細かく描写されているこのジェイムズ・ボンド・シリーズはたちまち世界中で大反響を巻き起こし、この後のスパイ小説ブームの火付け役となりました。
007号こと〈ジェイムズ・ボンド〉のシリーズはその後映画化もされて、今現在でも絶大な人気を誇っています。シリーズは全部で12の長編と2短編集が刊行されていますが、フレミングには他にも児童向けの絵本「チキチキバンバン」(1964-65)などの著作もあります。
フレミングの死後007号シリーズは、公認されたジョン・ガードナーが2代目ボンド作家として書き継ぎ、更に1996年からはレイモンド・ベンスンが3代目のボンド作家として書き継いでいます。
また映画のシリーズも続けられていて、2002年にはシリーズ40周年と20作品達成を記念した映画「ダイ・アナザー・デイ」が公開されて好評を博しました。
No. | 事件名 | 発表年 | 邦訳 | 備考 |
1 | Chitty Chitty Bang Bang (チキ・チキ・バン・バン) |
1964 | 富山房「チキチキバンバン まほうのくるま ぼうけん1~3」('80-81) 盛光社「空とぶ自動車1~3」('64) |
ジョン・バーニンガム画 映画化('68) |
No. | 事件名 | 発表年 | 邦訳 | 備考 |
1 | ダイヤモンド密輸作戦 | 1957 | ハヤカワ・ライブラリ('65) | |
2 | 007号/世界を行く | 1963 | ハヤカワ・ライブラリ('65) | |
3 | 続007号/世界を行く | ハヤカワ・ライブラリ |
No. | 事件名 | 発表年 | 邦訳 | 備考 |
1 | 女王陛下の騎士 ─007を創造した男 |
1966 | 早川書房('70) | ジョン・ピアースン著 フレミングの伝記 |