UK ジョイス・ポーター
(Joyce Porter)

ドーヴァー1
「ドーヴァー1」
(1964年)
(早川書房)

 イギリスの女性推理小説家で、J・J・マローン弁護士ものでお馴染みのアメリカの女流本格作家クレイグ・ライスとともにユーモア本格作家の代表格に挙げられる作家です。

 大学卒業後秘書職を経てイギリス空軍女性部隊に所属しスパイの養成に当ったこともあるというユニークな経歴の持ち主で、「読者を数時間別世界に連れて行くような小説、ついでに可能な限り金儲けさせてくれるようなものが書きたかった」という動機のもとに、1964年、史上最低の探偵と呼ばれるドーヴァー主任警部を主人公とする長編「ドーヴァー1」を発表します。

 またこのドーヴァーほどではないのですが、やはり自分勝手で他人を困らせることにかけては天才的なホン・コンおばさんの活躍するシリーズも発表しています。

 その作風はユーモア色の濃い本格ミステリーで、プロットは単純であっと言わせるようなものはないのですが、とにかく異様な舞台設定を仕掛け、そこに少し性格に問題のある探偵や事件関係者を登場させてドタバタを演じさせ、ブラック・ユーモアをまじえてテンポよくに事件を進めていきます。

切断
「切断」
(1967年)
(早川書房)

 くせが強いため決して万人受けはしませんが、他には類を見ない独特の作風を持った作家といえます。


■作家ファイル■

出身地
イギリス、チェシャー
学歴
ロンドン大学キングズ・カレッジで英語学の学位取得
生没
1924年~1990年
作家としての経歴
1964
長編「ドーヴァー1」でデビュー
シリーズ探偵
ウィルフレッド・ドーヴァー主任警部 (Wilfred Dover)
ホン・コンおばさん(オノラブル・コンスタブル・エセル・モリソン=バーク) (Hon-Con)
イギリス情報部員エドマンド・ブラウン(なまけスパイ)(Eddie Brown)
代表作
【ドーヴァー主任警部】
「切断(ドーヴァー4/切断)」
【ホン・コンおばさん】
「案外まともな犯罪」
ランキング
EQアンケート60位

■著作リスト■

1 ウィルフレッド・ドーヴァー主任警部登場作品リスト

2 ホン・コンおばさん登場作品リスト

3 エドマンド・ブラウン登場作品リスト

No. 事件名 発表年 邦訳 備考
1 Sour Cream with Everything 1966 -
2 The Chinks in the Curtain 1967 -
3 天国か地獄か 1969 HPB1210
4 Only with a Bargepole 1971 -

4 その他の邦訳作品

【普通小説】

No. 事件名 発表年 邦訳 備考
1 裏切られた夜 ハーレクイン文庫 B-83('95)
ハーレクイン・サスペンス・ロマンス U25('90)
ハーレクイン小説

【エッセイ・評論その他】

No. 事件名 発表年 邦訳 備考
1 The Solitary Life of the Writer
作家の孤独な生活
集英社「ミステリー雑学読本」('82) エッセイ

access-rank


TOPへ