イギリスの女性推理小説家で、J・J・マローン弁護士ものでお馴染みのアメリカの女流本格作家クレイグ・ライスとともにユーモア本格作家の代表格に挙げられる作家です。
大学卒業後秘書職を経てイギリス空軍女性部隊に所属しスパイの養成に当ったこともあるというユニークな経歴の持ち主で、「読者を数時間別世界に連れて行くような小説、ついでに可能な限り金儲けさせてくれるようなものが書きたかった」という動機のもとに、1964年、史上最低の探偵と呼ばれるドーヴァー主任警部を主人公とする長編「ドーヴァー1」を発表します。
またこのドーヴァーほどではないのですが、やはり自分勝手で他人を困らせることにかけては天才的なホン・コンおばさんの活躍するシリーズも発表しています。
その作風はユーモア色の濃い本格ミステリーで、プロットは単純であっと言わせるようなものはないのですが、とにかく異様な舞台設定を仕掛け、そこに少し性格に問題のある探偵や事件関係者を登場させてドタバタを演じさせ、ブラック・ユーモアをまじえてテンポよくに事件を進めていきます。
くせが強いため決して万人受けはしませんが、他には類を見ない独特の作風を持った作家といえます。
No. | 事件名 | 発表年 | 邦訳 | 備考 |
1 | Sour Cream with Everything | 1966 | - | |
2 | The Chinks in the Curtain | 1967 | - | |
3 | 天国か地獄か | 1969 | HPB1210 | |
4 | Only with a Bargepole | 1971 | - |
No. | 事件名 | 発表年 | 邦訳 | 備考 |
1 | 裏切られた夜 | ハーレクイン文庫 B-83('95) ハーレクイン・サスペンス・ロマンス U25('90) |
ハーレクイン小説 |
No. | 事件名 | 発表年 | 邦訳 | 備考 |
1 | The Solitary Life of the Writer 作家の孤独な生活 |
集英社「ミステリー雑学読本」('82) | エッセイ |