EQMM短編コンテスト入選の常連
アメリカの小説家。政治経済学者として活躍し、第二次大戦中に政府機関に入り、後にフランクリン・ルーズヴェルト大統領の経済顧問やハリー・トルーマン大統領の特別顧問も務めています。
小説家としては歴史ものや伝記、ビジネス関連書などを発表していましたが、ミステリに関しては1949年にエラリー・クイーンズ・ミステリ・マガジン〈EQMM〉に短編を発表して以来、毎年EQMMに短編を発表し、短編コンテストの上位にランクされるなど、ロアルド・ダールやスタンリイ・エリンと並ぶ短編の名手として知られています。
本人曰くミステリを書くのは正気を保つためだといい、1971年には69歳にして初の長編「妖術師の島」を発表し、アメリカ探偵作家クラブ(MWA)賞新人賞に輝いています。
その作風は彼の歩んできた職業にふさわしく政治の世界がよく舞台となり、知的で上品かつ味わい深いものがあります。
No. | 事件名 | 発表年 | 邦訳 | 備考 |
1 | 妖術師の島 | 1971 | HPB1212 | MWA賞処女長編賞('72) 唯一の長編 |
No. | 事件名 | 発表年 | 邦訳 | 備考 | |
1 | 誰でもない男の裁判 | 2004 | 晶文社 晶文社ミステリ | 日本独自の編纂 | |
1 | 黒い小猫 | 1956 | 早川文庫「黄金の13/現代篇」('79) EQMM'56.2 |
EQMM短編コンテスト1位 | |
2 | 虎よ! 虎よ! | 1952 | EQMM'58.4 | ||
3 | 誰でもない男の裁判 | 1950 | EQMM'58.9 HMM'89.8 |
EQMM短編コンテスト2位 | |
4 | 猫探し | 1954 | EQMM'60.4 | ||
5 | 市庁舎の殺人 (市役所殺人事件) |
1951 | EQMM'61.3 | EQMM短編コンテスト2位 | |
6 | ジメルマンのソース (お代は舌で) |
1957 | 河出文庫「美食ミステリー傑作選」 大和書房「とっておきの特別料理」('83) HMM'78.9 |
||
7 | ティモシー・マークルの選択 (わが家のホープ) |
1969 | HMM'72.9 | ||
8 | 姓名判断殺人事件 | 1965 | HMM'81.3 |
No. | 事件名 | 発表年 | 邦訳 | 備考 |
1 | The Man Who Playd Hunches 勘で勝負する男 |
1935 | EQMM'59.6 | 最初の発表作 |
2 | The Crucial Twist 決定的なひとひねり |
1940 | EQMM'61.9 | |
3 | Hit and Run 轢き逃げ |
1949 | EQMM'58.2 | |
4 | If a Body... 誰かと誰かが…… |
1953 | EQMM'60.10 | |
5 | A Sudden Dread...Nothing 復讐 |
1955 | EQMM'62.1 | |
6 | 女心を読む男 (女心を識る男) |
1960 | 光文社文庫「世界ベスト・ミステリー50選/下」('94) EQMM'60.6 |
|
7 | A Handful of Dust 一握の土 |
EQMM'61.4 | ||
8 | The Washington Party Murder ワシントン・パーティーの殺人 |
1964 | EQMM'65.12 |
No. | 事件名 | 発表年 | 邦訳 | 備考 |
1 | The Girl with the Glorious Genes | 1968 | - | A・B・カーベリー名義 冷戦を題材にとった普通小説 |
No. | 事件名 | 発表年 | 邦訳 | 備考 |
1 | 「幸運の人」になる技術 | 1952 | 成甲書房('03) | 自己啓発書 |
2 | ビジネスはゲームだ | 1968 | 早川書房('69) | アルバート・Z・カー名義 ビジネス書 |
【参考】「誰でもない男の裁判」(晶文社 晶文社ミステリ)
「妖術師の島」(早川書房 ハヤカワポケットミステリ)