英国本格黄金時代後期の代表的作家であるニコラス・ブレイクの生みだしたイギリスのアマチュア探偵。そのモデルはブレイクの学友の詩人W・H・オーデンとされています。
副警視総監を叔父にもち、オックスフォード大学を論旨退学になったのち、方々を旅行して語学を学びますが、スコットランド・ヤードのブラント警部とは互いに信頼しあう仲であったことから、彼の要請を受けてしばしば事件捜査に協力するようになります。
警察が法廷で通用する証拠の固執するのに対し、彼の捜査方法は独創的で、事件関係者の心理を綿密に分析して真相を見抜くという手法を得意としています。
作品当初は探検家で妻のジョージアが彼を支えていましたが、第二次大戦中に空襲で亡くしてしまいます。その後は彫刻家クレア・マッシンジャーが新たに恋人として登場し、彼を支える役割を担います。
No. | 事件名 | 発表年 | 邦訳 | 備考 |
1 | 証拠の問題 | 1935 | HPB696 現代文芸社 モダンミステリ('57) 別冊宝石53('56) |
ブレイクの処女長編 現代文芸社版は別冊宝石の再録 |
2 | 死の殻 (クリスマス殺人事件) |
1936 | 創元推理文庫233-2 別冊宝石73('58) 国土社 少年SF・ミステリー文庫('83)(ジュヴナイル) |
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3 | ビール工場殺人事件 | 1937 | 別冊宝石102('60) | |
4 | 野獣死すべし | 1938 | 早川文庫17-1 HPB115 早川書房 世界ミステリ全集8('73) |
ハヤカワベスト100・51位 EQアンケート50位 乱歩の1935年以降の長編ベスト10・6位 |
5 | The Smiler with the Knife (ナイフを持って微笑む者) |
1939 | - | |
6 | ワンダーランドの悪意 | 1940 | 論創社 論創海外ミステリ96('11) | |
7 | 雪だるまの殺人 | 1941 | HPB628 | |
8 | 殺しにいたるメモ | 1947 | 原書房 ヴィンテージ・ミステリー・シリーズ('98) | |
9 | 旅人の首 | 1949 | HPB610 | |
10 | 呪われた穴 | 1953 | HPB184 | |
11 | 闇のささやき | 1954 | HPB581 | |
12 | 章の終り | 1957 | 早川文庫17-2 HPB353 |
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13 | メリー・ウィドウの航海 | 1959 | 早川文庫17-3 HPB558 |
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14 | 死のとがめ | 1961 | HPB756 | |
15 | 悪の断面 | 1964 | 早川文庫17-4 HPB889 |
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16 | The Morning After Death | 1966 | - |
No. | 事件名 | 発表年 | 邦訳 | 備考 |
1 | 暗殺者クラブ (暗殺者) |
1935 | 創元推理文庫169-4「ディナーで殺人を/下」('98) HPB722「EQMMアンソロジー I」('62) EQMM'57.1 |
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2 | Mr. Prendergast and the Orange (Conscience Money) 舗道で拾ったオレンジ (罪ほろぼしの金) |
1938 | HMM'80.4 EQMM'62.5 |
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3 | Long Shot まぐれ当り |
1944 | EQMM'64.9 |