USA トマス・フラナガン
(Thomas Flanagan)

アデスタを吹く冷たい風
「アデスタを吹く冷たい風」
(1961年)
(早川書房)

 アメリカの小説家。コロンビア大学で博士号を取得し、教鞭を執るかたわらに小説を発表しますが、そのデビュー作となった歴史ミステリー短編「玉を懐いて罪あり」で〈エラリー・クイーンズ・ミステリ・マガジン(EQMM)〉の年次コンテストで最優秀新人賞に輝きます。

 その後も1951年発表のテナント少佐ものの短編「アデスタを吹く風」でEQMM短編コンテストの第1位を獲得するなど、意外性のある短編作品を発表していますが、非常に寡作家で、シリーズ探偵のテナント少佐ものも4編しかないといわれています。

 日本で独自に編纂された短編集「アデスタを吹く冷たい風」は1998年の早川書房のポケミス45周年記念復刊フェアと2003年の50周年記念復刊フェアの復刊アンケートで2回連続で第1位の快挙を成し遂げています。


■作家ファイル■

出身地
アメリカ、コネティカット州グリニッジ
学歴
コロンビア大学文学修士('49)、博士号('58)取得
生没
1923年11月5日~2002年3月21日
作家としての経歴
1948
デビュー作の短編「玉を懐いて罪あり」で同年のEQMM年次コンテストの最優秀新人賞を受賞
1951
テナント少佐第1作の短編「アデスタを吹く風」がEQMM短編コンテストの第1位を獲得
1979
その他に同年刊行の「フランス人の年」などの長編歴史小説を発表している
シリーズ探偵
テナント少佐(Major Tennente)(クーデターで王政を打倒した無慈悲な将軍が国の全権を掌握し戒厳令下にある地中海の共和国の憲兵)
代表作
「アデスタを吹く冷たい風」(短編)
「玉を懐いて罪あり」(短編)

■著作リスト■

1 テナント少佐登場作品リスト

No. 事件名 発表年 邦訳 備考
1 アデスタを吹く冷たい風 1961 HPB646 日本で独自に編纂
テナント少佐もの4編他全7編
1 アデスタを吹く冷たい風 1952 早川文庫「黄金の13/現代篇」
EQMM'58.6
テナント少佐
EQMM短編コンテスト第1位('51)
2 獅子のたてがみ 1953 EQMM'58.12 テナント少佐
3 良心の問題 1952 EQMM'58.7 テナント少佐
4 国のしきたり 1956 EQMM'61.8 テナント少佐
5 もし君が陪審員なら 1958 荒地出版社「年刊推理小説ベスト10(1960年版)」
EQMM'59.11
6 うまくいったようだわね 1955 HMM'89.8
EQMM'58.10
7 玉を懐いて罪あり
(北イタリア物語)
1949 早川文庫277-1「密室殺人傑作選」('03)
HPB1161「密室殺人傑作選」
早川書房 世界ミステリ全集18「37の短篇」('73)
HMM'70.12
EQMM'58.11
EQMM年次コンテスト最優秀新人賞('48)
歴史ミステリ
フラナガンのデビュー作

2 その他の作品

【長編】

No. 事件名 発表年 邦訳 備考
1 The Year of the French
(フランス人の年)
1979 - 歴史小説
2 Tenants of Time 1988 -
3 The End of the Hunt 1994 -

【エッセイ・評論その他】

No. 事件名 発表年 邦訳 備考
1 There You Are: Writings on Irish and American Literature and History 2004 -

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