「フランスのジョン・ディクスン・カー」と称される本格ミステリ作家ポール・アルテの生み出した探偵。
著者自身ミステリ作品を書こうと思い立った動機が敬愛する黄金時代の作家ジョン・ディクスン・カーのシリーズ探偵であるギデオン・フェル博士ものの続編を自ら書いてみたいという理由であったこともあり、ツイスト博士は肥満体のフェル博士とは違い痩せていて風貌こそ違うものの、その探偵法や振る舞いなどはまさしくフェル博士そのものといってもいいくらいです。
ツイスト博士については第2長編「死が招く」の冒頭に詳細に語られています。それによれば博士は年齢は60歳ぐらいで、長身痩躯に愛想のいい上品そうな物腰、色合いの異なる青を混ぜ込んだツイードの上着に見事な赤い口ひげと白髪混じりの癖毛がよく目立つ一方、黒い絹の細紐で止めた鼻眼鏡の奥からは、人のよさそうな青い瞳がのぞいているのですが、これが皺だらけの顔に似合わず何とも子供っぽく、言いしれぬ魅力を感じさせる好紳士ということです。
そして難解な事件が発生すると、博士とは好対照にずんぐりとした巨体のロンドン警視庁アーチボルド・ハースト警部の協力要請を受けて、犯罪学者として捜査に乗り出します。
No. | 事件名 | 発表年 | 邦訳 | 備考 |
1 | 第四の扉 | 1987 | HPB1716 | アルテ最初の刊行作品 コニャックミステリ大賞 |
2 | 死が招く | 1988 | HPB1732 | |
3 | カーテンの陰の死 | 1989 | HPB1773 | |
4 | 狂人の部屋 | 1990 | HPB1801 | |
5 | 虎の首 | 1991 | HPB1820 | |
6 | 七番目の仮説 | HPB1815 | ||
7 | Le Diable de Dartmoor | 1993 | - | |
8 | À 139 pas de la mort | 1994 | - | |
9 | L'Image Trouble | 1995 | - | |
10 | 赤髯王の呪い | HPB1790 | 1986年に私家版として出版された作品 | |
11 | L'Arbre aux doigts tordus | 1996 | - | |
12 | Le Cri de la sirène | 1998 | - | |
13 | Meurter dans un mauoir anglais | - | ||
14 | L'Homme qui aimait les Nuages | 1999 | - | |
15 | L'Allumette sanglante | 2001 | - | |
16 | La Toile de Pénélope | - | ||
17 | Les Larmes de Sibyl | 2005 | - |
No. | 事件名 | 発表年 | 邦訳 | 備考 | |
1 | La Nuit du loup | 2000 | HPB1790「赤髯王の呪い」 | 全9編 | |
1 | 死者は真夜中に踊る | HMM'01.4 | |||
2 | ローレライの呼び声 | HMM'02.7 | |||
3 | コニャック殺人事件 | HMM'03.7 |
【参考】「第四の扉」(早川書房 ハヤカワポケットミステリ)
「死が招く」(早川書房 ハヤカワポケットミステリ)