UK コーデリア・グレイ
(Cordelia Gray)

コーデリア・グレイ

女には向かない職業
「女には向かない職業」
(1972年)
(早川書房)

 イギリスの女流本格作家P・D・ジェイムズが生んだ、イギリスの女性私立探偵で、「女には向かない職業」および「皮膚の下の頭蓋骨」の2長編に登場します。

 明るい茶色の髪と、茶色がかった緑色の大きな目をしていて、おしゃれ好き。性格は几帳面で真面目であり、正義感が強く芯の通った女性です。

 母親とはわずか生後一時間で死別し、父親は革命詩人。カトリックの修道院で6年間教育を受け、ケンブリッジ大学を目指しますが、父親に引き取られてからは家政婦兼便利屋として次々変わる義母とともに各地を連れ回されます。

 その父親がローマで心臓病のため亡くなると、イギリスに戻り、周旋所の紹介でバーニイ・G・プライドの探偵事務所に就職。初めは秘書として働きますが、その才能を見込まれ探偵業を教わり、共同経営者として昇格します。

 しかし、所長のバーニイはほどなく癌を宣告されて自殺。形見の拳銃とともに事務所を引き継いだコーデリアは独立し、独りで事務所を切り盛りしていくことになったのです。

皮膚の下の頭蓋骨
「皮膚の下の頭蓋骨」
(1982年)
(早川書房)

 最初の事件では古井戸に落とされたり事件の隠ぺい工作を手伝わされたりもするなど、前途多難な毎日ではありますが、「女には向かない職業」と言われてもひたむきに頑張り続ける彼女の健気な姿は多くの読者の支持を集め、登場する作品はわずかに2長編ではあるものの今もって高い人気を保ち続けているキャラクターです。


■原作■

P・D・ジェイムズ
(Phyllis Dorothy James White 英 1920- )


■人物ファイル■

職業
プライド探偵事務所の私立探偵
依頼料
1日5ポンドと必要経費
住所
ロンドンのテームズ・ストリートにあるアパートの最上階
以前はバーニイと同じクレモナ・ロード15番地にある家に、部屋を借りていた
特技
速記・タイプ
趣味
絵画鑑賞、読書
愛用品
愛車のローバーのミニ
相棒の形見の38口径セミオートマチックとショック=ウォーター・プルーフの時計
ペットのクロネコトムキンス
協力者
ミス・フリーリイの経営する便利屋の社員べヴィスとミス・モーリイ
事務所の余裕がある時に1週間単位で臨時で雇っている
事件簿
2長編に登場

■事件ファイル■

No. 事件名 発表年 邦訳 備考
1 女には向かない職業 1972 早川文庫129-1
HPB1235
ハヤカワベスト100・60位
EQアンケート107位
ダルグリッシュ警視と共演
映画化('97)
2 皮膚の下の頭蓋骨 1982 早川文庫129-2
HPB1421
ハヤカワベスト100・85位

【参考】名探偵コナン14巻(小学館)
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