主に短編の分野で優れた作品を残したアメリカの小説家。
警察まわりの記者としてカリフォルニアの新聞社で働き、殺人事件を取材していましたが、その後東洋に憧れてインドへと向かいます。
そしてカルカッタの〈イングリッシュマン〉紙の記者兼カメラマンとしてインド各地を飛び回り、その後中国や日本にもジャーナリストとして派遣されたといいます。
他方そんな多忙な仕事の傍ら小説の執筆にも打ち込み、パルプ・マガジンに短編を寄稿。やがて1934年に「Bombay Mail」で長編デビューも果たしますが、この時舞台となったのは、自身が憧れ、活躍したインドのボンベイでした。
彼の作家としての名声を高めたのは、シャーロック・ホームズのライヴァルとして、そして科学探偵の元祖としてミステリ史上に名を残したR・オースチン・フリーマンのソーンダイク博士の後継者と目される、病理学者のコフィー博士の活躍する一連の短編シリーズで、現代医学と科学捜査を見事に結合させた好シリーズとして〈コリアーズ〉誌に10年以上にわたって連載されて人気を集めたといいます。
そしてコフィー博士の活躍は2冊の短編集にまとめられ、1950年発表の第1短編集「診断は他殺(Diagnosis: Homicide)」はクイーンの定員にも選ばれています。
他にノンシリーズ短編である「赤ワイン」が、アンソロジーにも多数採られている定番作品としてよく知られています。
No. | 事件名 | 発表年 | 邦訳 | 備考 |
1 | Bombay Mail | 1934 | - | デビュー作 |
2 | Bengal Fire | 1937 | - | |
3 | Red Snow at Darjeeling | 1938 | - |
No. | 事件名 | 発表年 | 邦訳 | 備考 |
1 | Midnight Sailing | 1938 | - | |
2 | Blow-Down | 1939 | - | |
3 | Wives to Burn | 1940 | - | |
4 | See You at the Morgue | 1941 | - | |
5 | Pursuit (英 Menace) |
1951 | - | |
6 | Rather Cool for Mayhem | - |
No. | 事件名 | 発表年 | 邦訳 | 備考 |
1 | Death-Walks in Marble Halls | 1951 | - | 表題中編のみ所収 |
No. | 事件名 | 発表年 | 邦訳 | 備考 |
1 | The Aldine Folio Murders アルドゥス版殺人事件 |
1940 | 白水社「書痴談義」('83) | |
2 | 執行猶予 | 1968 | 早川文庫277-1「密室殺人傑作選」('03) HPB1161「密室殺人傑作選」 HMM'71.4 |
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3 | イニシャル入り殺人 | 創元推理文庫104-24「ミニ・ミステリ傑作選」('75) | ||
4 | 赤ワイン (赤葡萄酒) |
河出文庫「美酒ミステリー傑作選」('90) 大和書房「冷えたギムレットのように」('83) EQ'82.7 新青年'37秋季増刊 |
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5 | バーカンディーの唇を持った女 | 東京創元社「アメリカ探偵作家クラブ傑作選1」('61) | マーシャル・T・カスター | |
6 | The Dog That Wouldn't Talk しゃべらない犬 |
大和書房「ブロードウェイの探偵犬」('84) | ||
7 | Mrs. MacBeth マクベス夫人 |
EQMM'57.10 | ||
8 | Deep-Sea Sleuth 洋上の惨劇 |
新青年'39夏季増刊 | ||
9 | 危険な贈物 | 探偵倶楽部'58.3 | 原題不明 |