淑女スパイ モデスティ・ブレイズ
(Modesty Blaise)

　イギリスの大衆小説家ピーター・オドンネルの生み出した、国籍不明の謎の美女スパイ。

　詳しい生い立ちや経歴などは一切不明で、バルカンの動乱を野性の女豹のように生き抜いて、今では地中海の犯罪結社を意のままに動かし、その道の人間からも一目置かれる存在となっています。

　美しい顔立ちと黒タイツの似合うしなやかな体つきの裏に隠された拳銃とナイフの裁きは超一流で、柔道と空手の極意も体得しているという、まさしく美しさと強さを兼ね備えた魅力的なキャラクターです。

　発表当初は新聞連載の漫画の中で活躍していましたが、絶大な支持を受けて1965年には小説化もされ、第１作目となった「唇からナイフ」は翌年映画化もされて大人気を集めました。

　イアン・フレミングの〈００７号〉シリーズとともに1960年代のスパイ・ブームの火付け役として最も人気の高かったシリーズの一つです。