妖精のような小娘

UK 怪盗 フィデリティ・ダヴ
(Fidelity Dove)

フィデリティ・ダヴの大仕事
「フィデリティ・ダヴの大仕事」
(1935年)
(国書刊行会)

 倒叙ミステリの代表的な存在として知られている〈迷宮課事件簿〉シリーズで有名なイギリスの推理小説家ロイ・ヴィカーズの生み出した淑女泥棒。

 計12の短編が1924年に「フィデリティ・ダヴの大仕事」という題名で短編集としてまとめられましたが、この一連の作品が書かれたのはヴィカーズがまだ〈迷宮課〉シリーズを書き始める前のことです。

 妖精のように可愛らしい風貌の小娘が数多くの手下たちを手足のように操って、見た目からは想像もできない大胆不敵な犯罪を計画し実行するという設定が受けて人気を呼びました。

 この作品は怪盗小説の典型ともいえる「どうやって盗んだか?」といういわゆる〈ハウダニット〉を主体とする作品で、どの作品も奇想天外なトリックで読者をあっと言わせてくれる好編揃いです。


■原作■

ロイ・ヴィカーズ
(Roy Vickers 英 1888-1965)


■人物ファイル■

事件簿
1短編集12短編

■事件ファイル■

No. 事件名 発表年 邦訳 備考
1 フィデリティ・ダヴの大仕事 1924 国書刊行会('11) 初版時はデイヴィッド・ダーラム (David Durham) 名義
1 顔が命 1924
2 宙吊り(サスペンス)
3 本物の名作
4 偽造の定番
(署名偽造)
1924 EQ'98.1
5 ガルヴァーバリー侯爵のダイヤモンド
6 貴顕淑商
7 一四〇〇パーセント
8 評判第一
9 笑う妖精
10 ことわざと利潤
(聖ジョカスタの壁掛け)
(聖ヨカスタのつづれ織り)
創元推理文庫104-28「完全犯罪大百科/上」('79)
HMM'76.5
11 ヨーロッパでいちばんケチな男 EQMM'63.9
12 グレート・カブール・ダイヤモンド 創元推理文庫104-27「犯罪の中のレディたち/下」('79)

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