タイトル | メグレと若い女の死 |
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原題 |
Maigret et la Jeune Morte | ||
発表年 |
1954 | ||
著者/訳者/解説 |
ジョルジュ・シムノン/北村良三/北村良三 | ||
カバーデザイン |
勝呂忠 | ||
ページ数 |
167 | ||
あらすじ(解説文) |
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出版 |
早川書房 ハヤカワポケットミステリ1188 |
午前3時を過ぎていた。街は人気がなく、湿っていた。細かい雨粒がガス灯に暈をつくっていた。ヴァンティミル広場は静かな小島のようだった。車が一台、停まっていた。小さな公園の柵の近くに、4,5人の男が地面に横たわった明るい色の物体を囲んで立っていた。メグレが到着すると、無愛想な刑事、ロニョンの短く、痩せた影がすでにそこにあった。 彼女は右脇腹を下に、湿った歩道に頬をつけて横たわっていた。片方の足には靴がなかった。パール・ブルーのサテンのドレスを着ていた。このイブニング・ドレスが大きすぎて見えるのは、多分その倒れている形のせいだろう。ドレスは新品ではなく、痛んでおり、布地も安物である。肌寒い3月なのにコートをつけていないのはなぜだろうか? 何故かメグレはこれがかなり複雑な事件になるような気がして被害者を改めて見た。彼はまだその横顔しか知らなかったが、打撲のためかすねた様子に見えた。彼女は不機嫌な小娘といった感じだった。 後ろに投げ出された褐色の、非常に柔らかな髪はゆるやかに波打っている。化粧は雨のために少しはげていたが、それは彼女をいっそう若々しく魅力的にしていた。─都会にひとりで出てき、借物のドレスを着て死んだ若い娘とメグレ警視の推理。 人間の心理を追求するシムノンの代表作。 |
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初版 |
1972年(300円) | ||
重版 |
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入手 |
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ISBN |
4-15-001188-5 |