スウェーデンの小説家S・A・ドゥーゼのミステリ作品の大半に登場する名探偵。
鋭敏な頭脳と慧眼を持ちながら、同時にこの時代の超人的な名探偵からは稀ともいえる人間味のある、親しみ易さを持った探偵です。
この名探偵と相対するライヴァルというのが検事のサンデルソンですが、このキャラクターは、探偵小説の常道どおり凡庸に描かれており、作中ではまさしくカリングの引き立て役となっています。
No. | 事件名 | 発表年 | 邦訳 | 備考 |
1 | 生ける寶冠 (生ける宝冠) |
1913 | 春陽堂 探偵小説全集11「生ける寶冠 孔雀の樹」('30) 本の友社 小酒井不木探偵小説全集7('92) 博文館 名作探偵18('40) 博文館 探偵傑作叢書45('26) |
|
2 | 夜の冒険 (深夜の怪事件) |
1914 | 日本出版協同 異色探偵小説選集7('54) 本の友社 小酒井不木探偵小説全集6('92) 博文館 名作探偵10('39) 博文館 世界探偵小説全集13「ドウーゼ集」('29) 平凡社 世界探偵小説全集8「夜の冒険 孔雀の樹」 博文館 探偵傑作叢書21('24) 新青年'23.4-10 旺文社 中学時代一年生'61.10付録(抄訳) |
|
3 | スペードのキング | 1915 | 改造社 世界大衆文学全集19「スペードのキング 四枚のクラブ一」('29) 本の友社 小酒井不木探偵小説全集7('92) |
|
4 | スミルノ博士の日記 | 1917 | 東都書房 世界推理小説大系5「チエホフ/ドゥーゼ」('63) 本の友社 小酒井不木探偵小説全集6('92) 博文館文庫74('39) 博文館 世界探偵小説全集13「ドウーゼ集」('29) 博文館 探偵傑作叢書26('23) 新青年'23.1-4 |
|
5 | 四枚のクラブ一 | 1918 | 改造社 世界大衆文学全集19「スペードのキング 四枚のクラブ一」('29) | |
6 | Cobra-Mysteriet (独 Het Cobra-Mysterie) Das Cobrageheimnis 毒蛇の秘密 |
1919 | 波屋書房 世界探偵文藝叢書10('27)(未刊行?) 大衆文芸'27.1-3、5-7(未完) |
|
7 | Antisemiten (反ユダヤ主義者) |
1921 | - | |
8 | Nattens Gâta (独 Het Raadsel van Een Nacht) (Rätyel der Nacht) 夜の謎 |
1922 | 新青年'27.6-12 | 連作長編 |
9 | Leo Carring Dubbelgångare Och Andra Detektivhistorier (独 Leo Carrings dubbelganger en Andere Geschiedenissen) (レオ・カリングの、二度繰り返された、第二の探偵物語) |
1923 | - | Leo Carrings Doppelgänger カリングの二重人格? |
10 | Hemligheten (独 Het geheim ) (秘密) |
1924 | - | |
11 | Fallet Dagmar (独 Het geval Dagmar) (ダグマール事件) |
1925 | - | |
12 | Skuggan (影) |
1926 | - | |
13 | Pistolskottet | 1928 | - | |
14 | Dr. Zuleikas hämnd | 1929 | - | Axel Klinckowstromとの合作 |
No. | 事件名 | 発表年 | 邦訳 | 備考 |
1 | 名探偵 | 新青年'26.2 | 原題不明 | |
2 | 三発の射撃 | |||
3 | 三三二號の箱 | |||
4 | モデル | 新青年'26新春増刊 | ||
5 | 催眠薬の怪 | 探偵小説'32.7(2-7) | ||
6 | 十七歳のエルザ | 新青年'34春季増刊 |
【参考】「世界探偵小説全集13 ドウーゼ集」(博文館)
「奈落の井戸:小酒井不木研究サイト」様