タイトル | 100%アリバイ |
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原題 |
The Case of the 100% Alibis | ||
発表年 |
1934 | ||
著者/訳者/解説 |
クリストファー・ブッシュ/森下雨村/森下雨村 | ||
カバーデザイン |
浜田稔 | ||
ページ数 |
210(巻末に主な著作の紹介) | ||
あらすじ(解説文) |
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出版 |
早川書房 ハヤカワポケットミステリ242 |
犯罪者が巧みにこしらえあげたアリバイを、探偵が苦心してその謎を解いていく。そして最後に犯人をつきとめる。それが推理小説の常道である、クロフツの『樽』、ブッシュの『完全殺人事件』がその代表的作品であることは、先刻ご承知のとおりである。ところが、その常道をはずれて鉄壁のアリバイの前に探偵が手も足も出ず、ついに兜を脱ぐという結着に終っているのがこの『100%アリバイ』で、つまり普通の探偵小説とはまるで行き方が違っている所に興味があり、毛色の変った探偵小説と呼ばれている所以である。 想うに作者は、その第一作『完全殺人事件』が異常な成功を収めたので、同じくアリバイを扱いながら、全然変った構想のもとに今一度読者の要望に応えようと考えたのだろう。名探偵の前には、いかなるアリバイも打ち砕かれるという定跡をひっくり返して、完璧なアリバイは法の力をもってしても、どうすることもできないという新定跡を提供している。これは権力と智嚢に対する挑戦であるとともに、賢明なる読者に対する挑戦でもある。作者はこの新しい試みを完成するために、ずい分と手の込んだ膳立てを作っている。その点では確かに英国流の本格探偵小説の力作として推奨するに足る作品である。 |
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初版 |
1956年 | ||
重版 |
1995年再版(1000円) | ||
入手 |
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ISBN |
4-15-000242-8 |