出版 |
早川書房
ハヤカワポケットミステリ 1038 |
イリヤ・クリヤキンは、疾風のような空手チョップと足蹴りの連続攻撃で一人を倒した。返し刀で、もう一人の男の鼻っ柱にも一発。彼はたまらず、血のしたたる鼻をおさえて、よたよたと後退した。が、なおも攻撃をかけようとしたとき、その男は呼び子のようなものを吹いた。無気味な音があたりに響く。と、途端にガス弾が壁に当たって炸裂し、ソロとクリヤキンは、もうもうたる煙に巻かれ、あっという間にくずおれた。次の瞬間、物陰から音もなくいくつかの人影があらわれると、二人を抱えて立ち去った……。
一方、この頃、まったく同じ手口の強盗事件が相次いで起こっていた。大量の純金が盗まれ、国際的組織をもつ一味によって、国外に運び出されていたのだ。世界の平和を守るアンクル本部は、これを重大視し、急遽ソロとクリヤキンを、ロンドンに派遣したのだが、彼らは一瞬の間に捕われの身となってしまった。さらに、アンクル本部には、組織の黒幕はジョニー・レインボーという犯罪王で、彼の最近の続けざまの成功が、宿敵スラッシュの目にとまり、秘密裡にレインボーにわたりをつけはじめたという情報が入ってきたのである!
天才的な犯罪王とスラッシュとの結束を確実に阻止し、彼らの野望を粉砕しようとするソロとクリヤキンの苦闘を描く! |