出版 |
早川書房
ハヤカワポケットミステリ934 |
商用でオランダに飛んだマイク・スタンニングにとって、同じ飛行機に乗り合わせたノラ・ブランドは行きずりの恋の相手にすぎなかった。密輸出入、麻薬密売、淫売、あらゆる犯罪に満ちたコペンハーゲンの新波止場街で狂乱の一夜を過したあと、二人は別れた。未練を残しているマイクをあとに、ノラは去っていったのだ。ただ一つ、小さな包みをマイクの手に渡して。 その翌日、ノラの突然の死を知りマイクは愕然とした。そして、なにげなくポケットにしまっておいた包みをひらくと、そこには大至急この包みをアンクルに送ってくれるようにという走り書きの紙片がはいっていた。……コペンハーゲンに派遣されていたアンクル機関員ノラ・ブランドの死の知らせといっしょに、煙草の包みに隠されたマイクロ・フィルムがアンクル本部に届いた。ウェーバリー課長は、優秀な女スパイをうしなったことを嘆きながらも、直ちにソロとクリヤキンを呼び出し、そのフィルムを映してみた。スクリーンに映しだされた物体を見て、三人は思わず息を呑んだ。まぎれもなく、そこには空飛ぶ円盤が鮮明に映しだされていたのである! コペンハーゲン上空に浮かぶ、なぞの円盤! スラッシュの新手の作戦行動か、それとも? 一作ごとに興趣を盛りあげ、絶賛を浴びる白熱のソロ・シリーズ第3弾! |