タイトル | 今夜の私は危険よ ウールリッチ幻想小説集 |
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原題 |
The Fantastic Stories of Cornell Woolrich | ||
発表年 |
1981 | ||
著者/訳者/解説 |
コーネル・ウールリッチ/高橋豊/バリイ・N・マルツバーグ | ||
カバーデザイン |
勝呂忠 | ||
ページ数 |
304(全体で328)(巻末「ウールリッチについて」) | ||
あらすじ(解説文) |
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出版 |
早川書房 ハヤカワポケットミステリ1422 |
表が黒で裏が赤、じゃこうの匂いを発散する、その布を踏みつけたとたん、マルドナードの相貌は急変した。顔はけわしく堅い表情になり、唇はひきつれ、目は残忍な光を帯びて輝いていた。彼女は、飼猫に枕を投げつけると、渾身の力をこめて上から押さえつけた。やがて、枕の下から突き出ていた小さな尻尾の動きが止まると、彼女の顔に満足そうな表情が広がった。彼女はその布を肩にはおると、それで作るドレスのデザインを考え始めた。ドレスの名は─今夜の私は危険よ。 マルドナードのドレスをまとったトラビス夫人は、妖しい微笑を浮かべて、夫を呼んだ。「ハンカチを落としてしまったわ。手すりの根元にひっかかっているの。風に飛ばされないうちに早くとってちょうだい」 ハイラムが甲板の手すりから身を乗り出した次の瞬間、彼女は夫の両足首をつかんで、それを海に向かって放り出した…… それに触れる者すべてを邪悪な思いのとりこにする、魔のドレスにまつわるエピソードをスピーティに綴る表題作ほか、一度死んだ肉体を甦らせる医者、予言によって人を死に導く占い師などが登場する、戯曲を含む五篇とF・ネヴィンズJr.による本格的ウールリッチ論「陰影の詩人C・ウールリッチ」を収録。都会派サスペンスの名手の怪奇幻想趣味に焦点をあてた異色の中短篇集。 |
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初版 |
1983年(980円) | ||
重版 |
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入手 |
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ISBN |
4-15-001422-1 |
1 魅せられた死 (Speak to Me of Death)
2 今夜の私は危険よ (I'm Dangerous Tonight)
3 コブラの接吻 (Kiss of the Cobra)
4 ジェーン・ブラウンの死体 (Jane Brown's Body)
5 だれかの衣装─だれかの人生 (Somebody's Clothes─Somebody's Life)
陰影の詩人、C・ウールリッチ (F・M・ネヴィンズJr.)