タイトル | 蒸発 |
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原題 |
Seconds | ||
発表年 |
1963 | ||
著者/訳者/解説 |
デイヴィッド・イーリイ/一ノ瀬直二/H | ||
カバーデザイン |
明記なし | ||
ページ数 |
197(巻末「アメリカ版蒸発」及びイーリイの著作リスト) | ||
あらすじ(解説文) |
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出版 |
早川書房 ハヤカワポケットミステリ1065 |
親、兄弟、妻子、あるいは隣近所や会社でのつき合い、そういったさまざまな人びととの関係や社会的義務から解き放されたい─そんな蒸発願望は誰の心にも、巣喰っているものだろうがトニー・ウィルスンにとりついたのもこの悪魔のささやきだった。 トニー・ウィルスン、すでに50の声をきこうとしている、一流銀行の副頭取。一人娘も嫁ぎ、妻と二人きりの安楽な将来が約束されていた。普段ならこんな誘惑は一笑に付したところだが、一本の電話が25年にわたって築き上げた堅実な生活を狂わせることになった……。 ある日、トニーにとっくに死んだはずの親友から電話がかかってきたのだ。驚くひまもなく、その死んだはずの親友は、自分の死は偽装で、本当の自分はこのとおりピンピンし、自由で若々しい第二の人生を生きている、実は蒸発したいという人の便宜をはかってくれる会社があるんだが……と告げた。彼は逡巡したが、いつのまにか我知らず、その誘惑に魅せられていった。そして、ついに約束の日が来たとき、彼は自分をとりまく世界からきっぱり縁を切ろうと決心し、何気なく会社を脱け出たのである……。 蒸発という日常的なテーマを発端に、いつのまにか肌の粟立つ恐怖と戦慄の世界へ読者を誘いこむ鬼才デイヴィッド・イーリイの異色作! |
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初版 |
1969年(290円) | ||
重版 |
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入手 |
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ISBN |
4-15-001065-X |