クリスティーのお気に入り作家
エリザベス・デイリーとも表記。アメリカの女性作家。父親が判事を務める家に生まれ、当時著名な劇作家だったというおじの影響もあってか、10代の頃から詩や散文が雑誌に掲載されるなど、文学や演劇の世界に親しんで育ったといいます。
ミステリーの世界に足を踏み入れたのは60歳を過ぎてからのことで、1940年に処女作「予期せぬ夜」を発表し、評論家や読者の間で評判となります。以後第二次大戦をまたいで年2作品のペースで作品を発表し続けました。
その作風は明快な文章と巧妙なプロットで読後感が爽快なのが大きな特徴で、黄金時代のイギリス本格ミステリの雰囲気を醸し出しており、ミステリーの女王アガサ・クリスティーもアメリカのミステリー界で一番注目している作家と公言していたほどです。
また全ての作品に登場する探偵役のヘンリー・ガーマジは古書の研究家であり、古書趣味がふんだんに盛り込まれいて楽しく、またその人柄の親しみやすさが人々の共感を呼び、当時のアメリカで第一級の人気を集めていたといわれています。