最初の法廷ミステリを発表
アメリカの女流作家で、アメリカ文芸家協会員としても活躍した人物です。
ワシントン〈スタア〉紙の経営者で新聞同盟会長であったフランク・ブレット・ノイズの娘として生まれ、私立学校で学んだ後イタリアやフランスに留学し、帰国後コロンビア大学で学び、1913年には処女作を出版します。
第一次世界大戦が始まると執筆活動を中断し、アメリカ海軍情報局で翻訳係を務めたりフランスのYMCAで給食係として働いたりします。その後1921年にニューヨークの弁護士エドワード・ヘンリ・ハートと結婚し、その後はワシントンに移り住んで二女をもうけました。
ミステリ作家としてのデビュー作は1927年、彼女がHall-Mills事件という実在の事件の裁判を傍聴した経験をもとに書かれたという「ベラミ裁判」で、その後も2作のミステリを残しています。
この点デビュー作の「ベラミ裁判」は法廷での裁判の過程が克明に描かれていて、最初の法廷ミステリに位置づけられるとともに、評論家ハワード・ヘイクラフト曰く「忘れがたい、だが二度と繰り返し得ない離れ業に持ち込んだ」傑作と評されています。
No. | 事件名 | 発表年 | 邦訳 | 備考 |
1 | ベラミ裁判 | 1927 | 日本出版協同 異色探偵小説選集1('53) | 最初の法廷ミステリ |
2 | Hide in the Dark (闇に隠る) |
1929 | - | |
3 | Pigs in Clorer | 1931 | - | |
4 | The Crooked Lane | 1934 | - |
No. | 事件名 | 発表年 | 邦訳 | 備考 |
1 | Mark | 1916 | - | 社交小説 |
2 | My A.E.F. | 1920 | - |
【参考】「海外探偵小説作家と作品」江戸川乱歩著(早川書房)
「ベラミ裁判」(日本出版協同 異色作家小説選集)