タイトル | 死後 |
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原題 |
Post Mortem | ||
発表年 |
1953 | ||
著者/訳者/解説 |
ガイ・カリンフォード/森郁夫/都筑道夫 | ||
カバーデザイン |
勝呂忠 | ||
ページ数 |
262(巻末「男が女であるとき」) | ||
あらすじ(解説文) |
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出版 |
早川書房 ハヤカワポケットミステリ433 |
作家ギルバート・ワースは、自分が、家族のうちの何者かに殺されかかっていることに気づいた。一度は、深夜書斎から寝室へ降りる階段で、天井の電球が故意に外され、転がしてあったガラスのマーブルに足を取られて真逆様に転落し、危うく首の骨を折る所だった。二度目は彼が、いつも飲む牛乳の中に毒薬が仕込まれてあって、偶然それを飲んだ猫が、たちまち血を吐いて死んだのだ。一体、誰の仕業なのか? 妻か、無能な長男か、頭の切れる次男か、娘か、それとも情婦になっている秘書の女か? 考えているうちに、三度目が起きたのだ。書斎でうたた寝をし、悪夢を見て目を覚ますと、妻をはじめ子供たちが、いずれも蒼白な顔を引き歪めて、じっとこちらを見守っている……彼は思わず部屋を見回し、そしてそこに大変なものを見た。頭を半分吹き飛ばされた男が、椅子にぐったりと身をもたせかけ、その手に、彼の軍用拳銃をしっかと握っているではないか……と、突然、彼の目から鱗が落ちた。彼の下意識に、それまで集積されていた断片的な事実が一瞬につながって……分かった! 死体は彼自身だったのだ! 家族に謀殺された主人公が、死後幽霊となって証拠を調べ、ついに自分の殺人犯を発見する。飛び抜け風変わりな形式で1956年のアメリカ・ファンタジイ小説の一位に挙げられているが、内容は堂々たる本格探偵小説である。 | |
初版 |
1958年(200円) | ||
重版 |
1986年に重版 | ||
入手 |
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ISBN |
4-15-000433-1 |