アメリカの本格ミステリー作家。幼少期に転居を繰り返した後、1984年からワシントンの学校で法律を学び、1995年から1997年にかけてワシントン州法曹協会の雑誌「Washington State Bar News」の編集を担当。趣味はフットボールと読書というのが公式サイトから窺い知れるプロフィールです。
不可能犯罪を題材としたミステリーを好み、好きな作品としてデイリー・キング、ビル・プロンジーニ、エドマンド・クリスピン、E・S・ガードナーに加え日本の人気ミステリー漫画の金田一少年の事件簿や探偵学園Qを挙げていますが、自身も2008年にディーン牧師を主人公とする不可能犯罪ものの短編集「ディーン牧師の事件簿」を発表して作家デビューを果たしています。
不可能犯罪の巨匠ジョン・ディクスン・カーの小説に立ち返ることで創造したとされるディーン牧師は、その風貌はずんぐりむっくりして頭もかなり生え際がかなり後退していますが、車で2時間ほどの森林に囲まれた町─ダークパインのアウトポスト・コミュニティ教会で30年前から牧師を務め、長年教会に通っている人たちから愛されている好人物です。
しかし彼の周りでは以前からなぜか奇怪な出来事や難事件が次々と発生。素人探偵として事件を解決しているうちに地元では名探偵としてもすっかり有名人になります。
そのため3年前に妻のエマを病気で亡くし、80歳を迎えたのを機に職を退くこととなり、唯一の家族である年老いたセントバーナードのプパドッグとともに余生を送ろうとしますが、牧師を引退後も彼の元には事件解決の依頼が絶えることはなく、一見すると不可能と思われる難事件を次々と解決に導いていきます。
シリーズ中にはただ一人定期的に電話やメールをしてくれるため特に可愛がっているという姪のスーザン(他にデーンという甥もいるらしい)や、若い有人で生まれた時からよく知っているダークパイン署の26歳のマーク・スモール刑事などのキャラクターが登場します。
No. | 事件名 | 発表年 | 邦訳 | 備考 | |
1 | ディーン牧師の事件簿 | 2008 | 創元推理文庫220-3 | ||
1 | プロローグ | ||||
2 | 足跡のない連続殺人 | ||||
3 | 四階から消えた狙撃者 | ||||
4 | 不吉なカリブ海クルーズ | ||||
5 | 聖餐式の予告殺人 | ||||
6 | 血の気の多い密室 | ||||
7 | ガレージ密室の謎 |
【参考】「ディーン牧師の事件簿」(東京創元社 創元推理文庫)