タイトル | 夜の闇のように |
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原題 |
The Darker the Night | ||
発表年 |
1949 | ||
著者/訳者 |
ハーバート・ブリーン/森郁夫 | ||
カバーデザイン |
上泉秀俊 | ||
ページ数 |
268 | ||
あらすじ(解説文) |
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出版 |
早川書房 ハヤカワポケットミステリ322 |
「あなた方は眠っています。眠って下さい。ぐっすり眠って下さい……」薄暗い部屋の中に、不思議に人の心を慰めるような単調な声が響いた。パーティーの出席者たちが固唾をのんで見守る中で、椅子にかけた四人の被術者たちはまったく無表情になり、その身体は奇妙に投げ出された死体のように見えた。やがて四人は、催眠術師プライスの命じるままに、ルーズヴェルト大統領の真似をしたり、アル・カポネになって他人を射ち殺す真似をしたり、思い出せるはずのない遠い子供の頃の記憶を呼び覚ましたりし始めた。プライスはにこやかに言った。 「私は催眠術で暗示を与えるだけで、一人の男に自殺させたり、他の男を殺させたりすることができるのです」 その言葉を聞いて、フリー・ジャーナリスト、レイノルド・フレイムと友人のリー・バランタインは身を固くした。その日の夕方、リーの伯父がホテルの窓から落ちて死亡したばかりだったのだ。 リーは、伯父は日頃からめまいのしやすい体質だったと言いながらも、伯父の死を自殺や事故とする考えには承服できない様子だった。伯父には自殺する理由などなかったし、今度ニューヨークに来たのは非常に切迫した用事があったためで、夕方五時などという早い時間に一人でホテルの部屋にいたはずがない、と彼女は主張した。伯父の死は、自殺か事故か、それとも……? 神秘的な怪奇趣味、上品なユーモア、豊富な知識をふんだんに織り交ぜ、催眠術にからむ不可解な殺人事件を、ブリーン独特の凝った構成で描いた傑作。 |
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初版 |
1957年 | ||
重版 |
1984年(780円) | ||
入手 |
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ISBN |
4-15-000322-X |