1940年代の中盤から後半にかけて活躍したアメリカの女流ミステリー作家。
本人もかなりのミステリ・ファンだったらしく、ミステリー作家になったのきっかけというのが彼女自身読んで満足するミステリがなかったため自ら筆を執ることにした、というものだったそうです。
メリーランド州のボルティモアに生まれ、ニューヨークで学業を修めた後視力障害者の読書補佐から出版社の資料部署に勤務し、その後雑誌編集やラジオ台本執筆に携わった後、1944年、サイモン・アンド・シャスター社より処女作「雪の上の血」を刊行します。
そしてこれが高い評価を得て、その後続けて1940年代に4つの長編(うちマーク・イーストもの3編)をはじめとする計5冊のミステリを発表しました。
その中でも彼女の最終長編となった「堕ちる人形」は、ミステリ評論家のハワード・ヘイクラフトやアントニー・バウチャーからも絶賛され、多くの出版社によって何度も版を重ねているそうです。
一方山奥のある集落で起こった殺人事件を私立探偵マーク・イーストが捜査していく処女作「雪の上の血」は、彼女が書上げたこの小説をさるエージェントに持ち込んだところ、その24時間後には出版決定の返事が来たというほどの完成度の高い作品ですが、日本では邦訳がまずかったせいもあってか、あまり芳しい評価ではないようです。
重厚なプロットを緻密な筆致、そしてとサスペンス溢れる作風で人気作家となりますが、その活動期は短く1944年から1949年までのわずか6年間でした。
No. | 事件名 | 発表年 | 邦訳 | 備考 |
1 | The Pavilion (大天幕) |
1946 | - |
No. | 事件名 | 発表年 | 邦訳 | 備考 | |
1 | Duet of Death (死の二重唱) |
1949 | - | ||
1 | The Bleeding House (家) |
- | |||
2 | 四本の手の恐怖 | 別冊宝石105('61) | |||
2 | Four Love Money | 1957 | - | ドロシー・ガーディナー編の他の作家とのアンソロジー | |
1 | A Roof in Manhattan マンハッタンの屋上で (マンハッタンの屋根) |
HMM'79.2 別冊宝石126('64) |