聖者(セイント)の生みの親
アメリカの推理小説家で、シンガポールに生まれ、後にアメリカに帰化した怪盗小説〈サイモン・テンプラー〉シリーズの生みの親です。
サイモン・テンプラー・シリーズは、E・W・ホーナングの〈義賊ラッフルズ〉、モーリス・ルブランの〈怪盗紳士アルセーヌ・ルパン〉、F・I・アンダースンの〈怪盗ゴダール〉、エドガー・ウォーレスの〈フォア・スケア・ジェン〉とともに、五大義賊物の一作品に挙げられます。
中国人外科医を父に、イギリス人を母親に持ち、イギリスで教育を受けます。 7歳にして物書きをはじめ、11歳の時には詩集を発表し、17歳の時にはもう初めての原稿料をもらっていたといいます。
ケンブリッジ大学に進んだ後も文学熱は衰えず、作家を志しますが、作家という職業を快く思っていなかった父親の強い反対もあり、大学を中退しマレーに単身帰国します。
その後は自ら生計を立てるためマレーのゴム園や錫鉱山、真珠貝の採集、貨物船の船員、酒場のバーテン、賭博場の従業員など様々な職場で様々な職業に就きますが、この時の経験が後の作家活動に役立ったと言われています。
1928年、聖者(セイント)ことサイモン・テンプラー・シリーズの第1作「虎との遭遇」を発表し、これが好評を博し、1943年にはハリウッドで映画化もされて、自身もアメリカに住むようになります。1946年にはアメリカへ帰化しました。
以後はアメリカに定住して映画関係の仕事もしながら、この〈セイント・シリーズ〉を中短長編合わせて50冊ほど発表しました。
ウィットに溢れテンポのよいストーリー展開の中に現代のロビンフッドを活躍させ、犯罪社会や支配階級を見事に描き出したこのシリーズは全世界で人気を博し、何度も映画化もされています。
1953年から67年にかけては〈セイント・ミステリー・マガジン〉を刊行。1992年には長年の功績に対してイギリス推理作家協会(CWA)からダイヤモンド・ダガー賞が贈られています。
No. | 事件名 | 発表年 | 邦訳 | 備考 |
1 | X Esquire | 1927 | - | |
2 | The White Rider | 1928 | - |
No. | 事件名 | 発表年 | 邦訳 | 備考 |
1 | Daredevil | 1929 | - | |
2 | The Bandit (The Black Cat) |
- | ||
3 | Juan Belmonte, Killer of Bulls | 1937 | - | |
4 | Spanish for Fun | 1964 | - | |
5 | Paleneo: A Universal Sign Language | 1972 | - |
No. | 事件名 | 発表年 | 邦訳 | 備考 |
1 | Lady on a Train | 1945 | - |
No. | 事件名 | 発表年 | 邦訳 | 備考 |
1 | Pearls in Pacific | 1923 | - | |
2 | One Crowded Hour | 1925 | - | |
3 | Bright Young People | 1928 | - | |
4 | The Man Who Was Arrogant | - | ||
5 | Ghost Story | 1931 | - | |
6 | The Human Torch | 1945 | - | |
7 | Murder by Television | 1946 | - | |
8 | The Sin of Brother Clarence | 1947 | - | |
9 | Hans Schmidt-Minister of Murder | - | ||
10 | Steven Berrie-The Amorous Psalm Singer | 1948 | - | |
11 | Reverend Hinshaw-A Saintly Devil | - | ||
12 | Fish Story 魚怪 |
1953 | ハヤカワSFシリーズ3008「宇宙の妖怪たち」('58) | |
13 | The Corpse in the Belfry | 1954 | - | |
14 | The Red Fox of the Cumberlands | 1955 | - | |
15 | That's Arson, Parson | 1956 | - | |
16 | The James Bond Phenomenon | 1965 | - | |
17 | Recommending the Two-Carr Library | 1966 | - |
No. | 事件名 | 発表年 | 邦訳 | 備考 |
1 | The Saint's Choice (The Saint Magazine Reader) |
1966 | - | 19編 |
2 | The Saint: Good as Gold | 1979 | - | 4編 |
No. | 事件名 | 発表年 | 邦訳 | 備考 |
1 | How I Unmade Histroy | 1951 | - | |
2 | I am a Reformed Wine Snob | 1956 | - | |
3 | I'd Rather Fly | 1961 | - |
No. | 事件名 | 発表年 | 邦訳 | 備考 |
1 | The Hindenburg Murders ヒンデンブルク号の殺人 |
2000 | 扶桑社ミステリー('07) | マックス・アラン・コリンズ著 1937年のヒンデンブルク号爆発事故をモチーフにチャータリスを探偵役に据えた歴史サスペンス |