徹底した取材をもとにリアリティーある作品を発表

リンダ・ラ・プラント
(Lynda La Plante)

「第一容疑者」
（1991年）
（早川書房）

　イギリスの脚本家・推理小説家。ビートルズの出身地としても有名なイングランド北西部の港町リヴァプールに生まれ、王立演劇学校で学んだ後、女優として舞台やテレビで活躍していましたが、やがて脚本家に転向し成功を収めます。

　そして1991年から放映されたイギリス・グラナダＴＶ製作のサスペンス・ドラマ「第一容疑者」の脚本を手がけ、主人公の女性主任警部ジェーン・テニスン役のヘレン・ミレンやオトリー部長刑事役のトム・ベルらの好演技も手伝って、このドラマ・シリーズは世界55か国で放映されるなど大変な人気を博します。

　そしてエミー賞やアメリカ探偵作家クラブ（ＭＷＡ）賞の最優秀ＴＶドラマ・ミニシリーズ賞（２年連続受賞）などの20以上の国際的な賞を受賞。一躍脚本家として名を知られるようになったのでした。

　現実をありのままに描くことに主眼を置き、読者や専門家から「そんなことはあり得ない」と批判されないようにと徹底的な取材をもとにして書かれた脚本は高く評価され、そのリアルな内容はロンドン警視庁の新人研修にも使われるほどだったといいます。

「顔のない少女─
第一容疑者２」（1992年）
（早川書房）

　脚本と並行して小説も書き始め、ミステリーの第１作となった1990年の「ベラ・マフィア」を皮切りに数多くの小説を書き、1994年からはロレイン・ペイジを主人公にしたハードボイルド三部作を発表。

　「凍てついた夜」から始まるこのシリーズは、ロサンゼルスを舞台に元女性警部補でありながらアルコール依存症となり、酒のために売春婦にまで身を落としてしまったヒロインの自己再生の物語という衝撃的な内容で、多くの女性たちの共感を呼び、新時代の女性ハードボイルドとして話題を集めました。

■作家ファイル■

出身地

イギリス、リヴァプール

生没

1946年3月15日～

作家としての経歴

1990

最初のミステリー長編「Bella Mafia （ベラ・マフィア）」を発表

1991

イギリス・グラナダＴＶ製作のサスペンス・ドラマ「第一容疑者」の脚本を手がけ、世界55か国で放映されるなど大変な人気を博す
エミー賞やアメリカ探偵作家クラブ（ＭＷＡ）賞の最優秀ＴＶドラマ・ミニシリーズ賞などの20以上の国際的な賞を受賞

1994

元ロサンゼルス市警女性警部補のロレイン・ペイジを主人公としたハードボイルド三部作の第１作「凍てついた夜」を発表

シリーズ探偵

ジェーン・テニスン警視 (Superintendent Jane Tennison)
ロレイン・ペイジ (Lorraine Page)

代表作

「第一容疑者」
「凍てついた夜」

■関連リンク■

１　リンダ・ラ・プラント公式サイト

■著作リスト■

１　ジェーン・テニスン警視登場作品リスト

２　ロレイン・ペイジ登場作品リスト

３　Dolly Rawlins シリーズ

４　Legacy シリーズ

５　Trial And Retribution シリーズ

６　Anna Travis シリーズ

７　その他の作品

【参考】「第一容疑者」（早川書房　ハヤカワミステリ文庫）
「顔のない少女─第一容疑者２」（早川書房　ハヤカワミステリ文庫）

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