SF作家としても有名
アメリカの小説家。ミステリー作家というよりは、SF作家としての方が有名な人物です。
早熟で14歳の時から早くも小説を発表していたといい、全部で16ものペンネームを用いて、他の作家との合作作品も含めると全部で14の長編と数百編の短編小説を発表したと言われています。
ミズーリ州に生まれ、テキサス工科大学へと進学。第二次世界大戦中は海兵隊に所属し伍長として活躍し、終戦の後再び大学に戻ります
そして1948年に大学を卒業した後は、ミシガン州やイリノイ州でインダストリアル・ケミストの仕事に就く傍ら小説を書いていましたが、その後フリーのライターに転身しSF作品を中心に執筆活動を本格化させていきます。
晩年には妻のヴィッキ・アン・ハイドロン(Vicki Ann Heydron)との合作でSFとミステリとRPG(ロール・プレイング・ゲーム)を融合させた〈ガンダーラーラ・サイクル(Gandalara Cycle)〉というシリーズを発表していますが、その執筆の最中に重い怪我を負い、それが原因で亡くなっています。
ミステリ作家としては、科学に代わって魔術が人々を支配する架空の現代ヨーロッパを舞台にした、ノルマンディ公爵の主任捜査官ダーシー卿を主人公とする一連のシリーズで有名です。
この〈ダーシー卿〉シリーズには10ほどの中短編の他、密室ものの傑作として名高い長編「魔術師が多すぎる」などの作品があります。
妻のヴィッキ・アン・ハイドロン(Vicki Ann Heydron)との合作SF小説
No. | 事件名 | 発表年 | 邦訳 | 備考 |
1 | レイツカールの鋼鉄 | 1981 | 角川文庫 ガンダラーラ・サイクル 1('89) | |
2 | The Glass of Dyskornis (ディスコルニスのガラス) |
1982 | - | |
3 | The Bronze of Eddarta (エッダルタの青銅) |
1983 | - | |
4 | The Well of Darkness (闇の井戸) |
- | ||
5 | The Search for Ka (カーを探して) |
1984 | - | |
6 | Return to Eddarta (エッダルタに還る) |
1985 | - | |
7 | The River Wall (川の壁) |
1986 | - |
No. | 事件名 | 発表年 | 邦訳 | 備考 |
1 | The Gandalara Cycle | 1986 | - | 2分冊 |
ロバート・ランドール名義(ロバート・シルヴァーバーグ(Robert Silverberg)との合作)
No. | 事件名 | 発表年 | 邦訳 | 備考 |
1 | The Dawning Light | 1959 | - | 連作長編 |
No. | 事件名 | 発表年 | 邦訳 | 備考 | |
1 | The Shrouded Planet | 1957 | - | ||
1 | The Chosen People | 1956 | - | ||
2 | The Promised Land | - | |||
3 | False Prophet | - |
No. | 事件名 | 発表年 | 邦訳 | 備考 |
1 | All the King's Horses | 1958 | - |
マーク・フィリップス名義(Laurence M. Janiferとの合作)
No. | 事件名 | 発表年 | 邦訳 | 備考 |
1 | That Sweet Little Old Lady (Brain Twister) |
1962 | - | 連作長編 1992年改題 |
2 | Out Like a Light (The Impossibles) |
1963 | - | 連作長編 |
3 | Occasion for Disaster (Supermind) |
- | 連作長編 |
No. | 事件名 | 発表年 | 邦訳 | 備考 |
1 | The Absence of Heat | 1944 | - | Probability Zero |
2 | Pagan Passions | 1959 | - | |
3 | Through Time and Space with Benedict Breadfruit | 1962 | - | Grandall Barretton名義 連作長編 |
4 | Unwise Child (Starship Death) |
- | ||
5 | 銀河の間隙より | 1963 | 早川文庫 SF373 | SF小説 本来Darrell T. Langart名義 |
No. | 事件名 | 発表年 | 邦訳 | 備考 |
1 | Takeoff! | 1980 | - | |
2 | Best of Randall Garrett | 1982 | - | ダーシー卿1編所収 |
3 | Takeoff, Too! | 1987 | - |
No. | 事件名 | 発表年 | 邦訳 | 備考 |
1 | Small Miracle 小さな奇蹟 |
HMM'75.5 |
【参考】「レイツカールの鋼鉄」(角川書店 角川文庫)