タイトル | スパイの妻 |
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原題 |
The Spy's Wife | ||
発表年 |
1980 | ||
著者/訳者/解説 |
レジナルド・ヒル/山本俊子/S・S | ||
カバーデザイン |
勝呂忠 | ||
ページ数 |
230(巻末「異色の”スパイ”小説」) | ||
あらすじ(解説文) |
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出版 |
早川書房 ハヤカワポケットミステリ1401 |
霧がたちこめる九月の朝、モリー・キートリーが朝食の片づけをしているときだった。出勤したはずの夫サムが戻ってきた気配がし、行ってみると、彼はスーツケースを片手に、また出かけようとしていた。モリーの質問にもうわの空で、「連絡する。愛してるよ」という言葉だけ残すと、猛スピードで車を出し、去っていった……。それから30分後、モリーの家に二人の男がなかば強引に押しいってきた。ただ茫然とするモリーに、二人の話はとどめの衝撃を加えた─サムは東側のスパイだった。身元の発覚を悟り、監視の眼を盗んで逃げたのだ。今頃はモスクワ行の機内かもしれない! 雑誌《ニュー・テクノクラット》の防衛問題担当者として腕を奮っていたサムは、理想的と言っていい夫だった。結婚以来八年、彼の行動に疑いを抱いたことは一度もない。それが、突然……モリーには、これが現実の出来事とはとても思えなかった。サムは今どこに? モリーに連絡してくるのだろうか? 一時の安らぎを求めて故郷へ帰ったモリーの周辺には、秘密裡に、しかし執拗にサムの行方を追うイギリス情報部の監視の眼、そして何者とも知れぬ不気味な人間の影がつきまとっていた! 通常、スパイ小説の結末となる場面から物語を始める秀抜なアイディアを、鋭い人間観察の眼で肉づけていく、レジナルド・ヒルならではの異色スパイ小説。 |
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初版 |
1982年(760円) | ||
重版 |
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入手 |
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ISBN |
4-15-001401-9 |