世界最初のスパイ小説を書いたとされる人物
世界最初のスパイ小説とされる「砂洲の謎」を書いた人物。
イギリスの首都ロンドンに生まれ、ケンブリッジ大学を卒業後、1893年から北海ドイツおよびデンマーク沿岸、バルト海などをヨットで航行し、1895年から1910年までハウス・オヴ・コモンズの書記を務めます。その間の1899年、ボーア戦役に義勇軍召募兵として参戦し活躍します。
1910年になると母親の出身地アイルランドの自治法確立運動に参加する一方で第一次世界大戦に参戦し功績を挙げました。
終戦後はアイルランドに居を移し、アイルランドの完全独立のための政治活動を展開しますが、1922年11月にアイルランド政府に捕えられて銃殺刑に処せられるという悲劇的な最期を遂げています。
アイルランドの独立運動に献身していたことからアイルランド問題についての論文を多数書いていますが、小説は世界最初のスパイ小説とされる「砂洲の謎」1作品のみです。
「砂洲の謎」は最初のスパイ小説に位置づけられるとともに、1903年に書かれ、その約10年後の第一次世界大戦を予言し、その際に母国イギリスがどういう動きをするかを予測をしていた不思議な小説です。
そしてスパイ小説の巨匠エリック・アンブラーからも「ヨットについて書かれた最も秀れた小説」であると評されています。
No. | 事件名 | 発表年 | 邦訳 | 備考 |
1 | 砂洲の謎 | 1903 | 筑摩書房 ちくま世界ロマン文庫15(新装版)('78) 筑摩書房 ちくま世界ロマン文庫19('70) |
世界最初のスパイ小説 |
アイルランド問題についての論文多数あり
No. | 事件名 | 発表年 | 邦訳 | 備考 |
1 | In the Ranks of the CIV (ボーア戦役回想) |
1900 | - | |
2 | The Gac in South Africa (南アフリカにおけるイギリス砲兵部隊) |
1903 | - | |
3 | The Times History War in South Africa (南アフリカ戦史) |
1907 | - | |
4 | War and the Arme Blanche (戦争と騎兵隊) |
1910 | - | |
5 | German Influence on British Cavalry (イギリス騎兵隊とドイツの影響) |
1911 | - | |
6 | Framework of Home Rule (自治法案の輪郭) |
- | ||
7 | アイルランドにおける軍隊体制 | 1920 | - |
【参考】「砂洲の謎」(筑摩書房 世界ロマン文庫)