優雅で優しい語り口が特色の女流本格作家
イギリスの女流本格ミステリ作家。1951年に発表した「Sweet Revenge」を皮切りに、英国陸軍中佐の夫ビルとロンドンで幸福な結婚生活を贈るライアン・クロフォードと第1作目で知り合いとなったスコットランド・ヤードのヒュー・ゴードン警部のコンビを主人公とした本格謎解きミステリを7作品発表しています。
音楽や詩・園芸などを趣味に持ち、休暇のたびに地中海やアドリア海で日光浴を楽しむといった生活を送っていたらしく、その作風もそれらの多彩な趣味を活かした知的な謎解きと、彼女独特の優雅で優しい語り口を大きな特色とし、フランシス・アイルズやモーリス・リチャードスン等の書評家たちからも一目置かれる存在であったといいます。
日本では彼女の作品は長い間未訳のままでいましたが、評論家の植草甚一が著書「雨降りだからミステリーでも勉強しよう」で賞賛していた最終長編「蛇は嗤う」が2007年になって初めて翻訳・出版されました。
No. | 事件名 | 発表年 | 邦訳 | 備考 |
1 | Sweet Revenge | 1951 | - | |
2 | Death in Ambush | 1952 | - | |
3 | Postscript to Penelope | 1954 | - | |
4 | A Corpse for Charybdis | 1956 | - | |
5 | To This Favour | 1957 | - | |
6 | Drown Her Rememberance | 1961 | - | |
7 | 蛇は嗤う | 1963 | 長崎出版 海外ミステリGemコレクション6('07) |
【参考】「蛇は嗤う」(長崎出版 海外ミステリGemコレクション)