USA T・S・ストリブリング
(Thomas Sigismund Stribling)

カリブ諸島の手がかり
「カリブ諸島の手がかり」
(1929年)
(河出書房新社)

 アメリカの作家。テネシー州に生まれ大学で法律を学んだ後弁護士になりますが、その1年後には雑誌記者に転身します。その後南アメリカとヨーロッパで8年間暮らす傍ら文筆活動に入ります。

 はじめは日曜学校関係の雑誌に教訓的な物語を書いていましたが、後にパルプ雑誌に犯罪心理学者のポジオリ教授を主人公とする短編ミステリを発表するようになります。

 ポジオリものの第1短編集「カリブ諸島の手がかり」はクイーンの定員にも選ばれ、またクイーンがミステリ史上最も重要な短編集十傑を選んだ際の次点に選んでいます。

 またストリブリングはアメリカ南部に滞在していたこともあってかアメリカ南部の生活や黒人問題などを題材にした小説も発表していて、純文学作家としても名を馳せています。

 こちらでは1932年に「ストアー」でピューリッツァー賞を受賞しています。他にもSFものもいくつか発表しているそうです。


■作家ファイル■

出身地
アメリカ、テネシー州クリフトン
学歴
アラバマ大学卒
生没
1881年3月4日~1965年7月8日
作家としての経歴
1922
アメリカ南部や黒人問題を扱った小説「Birthright」を発表し、文壇デビューを果たす
1929
パルプ雑誌〈アドベンチャー〉に連載されていたポジオリものの短編5編を集めた短編集「カリブ諸島の手がかり」を発表(第1期)
更にこの年から34年にかけて8作品ポジオリものを発表(第2期)
1931
この年の「The Forge」から、1932年「The Store」、1934年「Unfinished Cathedral」と続く純文学作品三部作を発表し、「ストアー(The Store)」でピューリッツァー賞を獲得
1938
諷刺小説「These Bars of Flesh」を発表。以後はエラリー・クイーンの雑誌〈EQMM〉への連載要請を受けて1945年から1957年にかけて、ポジオリ教授ものの短編を23作品発表(第3期)
シリーズ探偵
犯罪心理学者ヘンリー・ポジオリ教授 (Dr. Henry Poggioli)
代表作
「カリブ諸島の手がかり」(中編集)
ランキング
EQアンケート68位

■著作リスト■

1 犯罪心理学者ヘンリー・ポジオリ教授登場作品リスト

2 その他の作品

【長編】

No. 事件名 発表年 邦訳 備考
1 The Cruise of the Dry Dock 1917 - 250部限定
2 Birthright 1922 - デビュー作
3 Fombombo 1923 -
4 Red Sand 1924 -
5 Teeftallow 1926 -
6 Bright Metal 1928 -
7 East is East -
8 Strange Moon 1929 -
9 Backwater 1930 -
10 The Forge 1931 - 純文学作品
11 The Store
(ストアー)
1932 - ピューリッツァー賞('33)
純文学作品
12 Unfinished Cathedral 1934 - 純文学作品
13 The Sound Wagon 1935 -
14 These Bars of Flesh 1938 - 諷刺小説

【ノンフィクション】

No. 事件名 発表年 邦訳 備考
1 Laughing Stock: The Posthumous Autobiography of T.S. Stribling 1982 -

【詩集】

No. 事件名 発表年 邦訳 備考
1 Design on Darkness -

【参考】「カリブ諸島の手がかり」(国書刊行会 世界探偵小説全集)
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