USA ティモシー・フラー
(Timothy Fuller)

ハーバード大学殺人事件
「ハーバード大学殺人事件」
(1936年)
(青弓社)

 アメリカの小説家、ハーバード大学在学中にハードワークが祟って当時はまだ不治の病であった肺結核を患い、フロリダで静養を余儀なくされますが、その頃に小説を書いてみようと思い立ったといいます。

 そうして書かれた一冊の長編ミステリ「ハーバード大学殺人事件」を、文芸批評家でアメリカきっての高級文学雑誌〈アトランティック・マンスリー〉の編集長でもあったエドワード・ウィークスに読んで貰った所、ウィークスはすぐに彼の才能に感嘆し、それまでの〈アトランティック・マンスリー〉の長い伝統の中で一度も掲載例のなかったミステリ作品を、伝統を打ち破って初めて掲載する英断を下したのでした。

 弱冠21歳で幸運な作家デビューを果たしたフラーは、その後も同作品で主人公を務めたジュピター・ジョーンズの活躍するミステリ作品を数作発表していますが、デビュー作品であり代表作でもある「ハーバード大学殺人事件」は、新青年ベスト10で大江専一氏が自身のベスト10の第1位に推しており、第3長編の「Reunion with Murder」はジェームズ・サンドーの名作集に選ばれるなど、寡作ながらもミステリ史上にその名を刻み込んでいます。


■作家ファイル■

出身地
アメリカ
学歴
ハーヴァード大学
生没
1914年~1971年
作家としての経歴
1936
ハーバード大学在学中の弱冠21歳の時に書いたミステリ長編「ハーバード大学殺人事件」が、アメリカの高級雑誌〈アトランティック・マンスリー〉に掲載され、ミステリ作家としてデビュー
シリーズ探偵
ジュピター・ジョーンズ (Edmund "Jupiter" Jones)
代表作
「ハーバード大学殺人事件」
「Reunion with Murder」

■著作リスト■

1 ジュピター・ジョーンズ登場作品リスト

No. 事件名 発表年 邦訳 備考
1 ハーバード大学殺人事件 1936 青弓社 ブルー・ボウ・シリーズ('93) 新青年ベスト10・大江専一氏のベスト第1位
2 Three Thirds of a Ghost
(幽霊の三分の一)
1941 -
3 Reunion with Murder
- ジェームズ・サンドーの名作集に選ばれた作品
4 This is Murder, Mr. Jones
(殺人です、ミスター・ジョーンズ)
1943 -
5 Keep Cool, Mr. Jones
(これをどうぞ、ミスター・ジョーンズ)
1950 -

【参考】「ハーバード大学殺人事件」(青弓社 ブルー・ボウ・シリーズ)
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