イルカを主人公にしたユーモアミステリを発表
アメリカの小説家。空軍で大佐まで務めた元退役将校で、ペネロピー作品以外ではユーモアを織り交ぜた冒険小説を数多く書いています。
コロラド州ラ・ハンタに生まれ、生まれてすぐ両親に連れられてアイダホ州ボイシーに移住し同地で育てられます。
高校卒業の後ボイシー州立大学およびフォートヘイズ州立大学で学びますが、卒業前に第二次世界大戦が勃発したため、空軍に入隊。入隊後は朝鮮戦争などに参戦するなどしてキャリアを積み、キューバ危機を機に退役しボイシーへと戻ります。
退役後は自身の軍人としての経験や持ち前のユーモアセンスを活かして作家活動を展開。全部で20冊の著書を残しています。
中でも特に有名なのが1980年に発表した「バット21大救出作戦」で、この作品は彼の実際の友人でもありベトナム戦争で危機に陥ったアイシール・E・ハンブルトン中佐の救出作戦を描いたノンフィクションで、1988年にはジーン・ハックマンとダニー・グローバーの主演で映画化もされ、この際にはアンダースン自身も脚本を担当しています。
またミステリ関連ではペネロピー・シリーズの著者として知られていますが、このシリーズは言葉を話せるイルカのペネロピーの迷推理に翻弄される退役将校のキャラハンとウィリアムズの二人のドタバタを描いたユーモア本格ミステリで、動物が探偵役を務める風変わりな本格シリーズです。
個性溢れる登場人物たちのユーモアたっぷりのやりとりと現代アメリカの風俗が生き生きと描かれた楽しい作品に仕上がっています。
No. | 事件名 | 発表年 | 邦訳 | 備考 |
1 | Penelope (ペネロピー) |
1963 | - | |
2 | それゆけイルカ探偵! | 1974 | 早川文庫70-1 |
No. | 事件名 | 発表年 | 邦訳 | 備考 |
1 | Adam M-1 | 1964 | - | |
2 | Pandemonium on the Potomac | 1966 | - | |
3 | The Gooney Bird | 1968 | - | |
4 | The Two-Ton Albatross (二トン積みアルバトロス) |
1969 | - | |
5 | The Apoplectic Palm Tree | - | ||
6 | Roll Up the Wallpaper, We're Moving! (壁紙を巻きあげろ、引っ越しだ!) |
1970 | - | |
7 | Hurricane Hunters | 1972 | - | |
8 | The Headstrong Houseboat (強情っぱりの屋形船) |
- |
No. | 事件名 | 発表年 | 邦訳 | 備考 |
1 | Five, Four, Three, Two, One─Pfft | 1960 | - | |
2 | The Great Bicycle Expedition: Freewheeling through Europe... | 1973 | - | |
3 | Different Spokes for Different Folks | - | ||
4 | When the Offspring Have Sprung | 1978 | - | |
5 | Home Sweet Home Has Wheels | 1979 | - | |
6 | バット21大救出作戦 ベトナム戦闘記録 |
1980 | 原書房('84) | ノンフィクション 映画化('88) |
7 | Bomber Crew 369 | 1986 | - | |
8 | Taming Mighty Alaska: an RV Odyssey | 1990 | - | |
9 | Lady Bluebeard | 1994 | - | |
10 | How to Survive Hospital Care | 1996 | - |
【参考】「それゆけイルカ探偵!」(早川書房 ハヤカワミステリ文庫)