イギリスの推理小説家で、ピーター・ラウゼイやレジナルド・ヒルとともに現代本格ミステリー界を代表する男性作家の一人です。
リンカーンシャーのスタンフォードに生まれケンブリッジ大学修士号を取得後、イギリス陸軍通信隊に勤務し、中等学校教師を経てオックスフォード地方試験委員会に勤務します。
作家としてのデビューは1975年の長編「ウッドストック行最終バス」でシリーズキャラクターとなるモース主任警部が初登場し、その後の長編でも全て活躍しました。
25年間の作家生活で13の長編しか発表していないのですが、そのどれもが水準作以上であり、本格ファンからも高い支持を得ています。
その作風は、何度もあてはめてみては失敗し、やがて正解にたどり着くというまさにクロスワード・パズルに似たところがあるのですが、この点実はデクスター自身もクロスワードパズルの大の愛好者で、そのキー作りのチャンピオンタイトルを3年連続で獲得したこともあるほどの腕前なのだそうです。
大がかりなトリックはないのですが、二転三転する意外性がり、心地よい読後感を得ることができる作品が多いのが特徴です。
また主人公の探偵役モース警部とワトソン役のルイス部長刑事とのやりとりも非常に面白く、何度も爆笑させられること請け合いのユーモアたっぷりの作品に仕上がっています。
モース警部シリーズは本国イギリスではドラマ化もされていて大好評を博し、一大ブームを巻き起こした時は国内の人気投票でシャーロック・ホームズやエルキュール・ポアロをおさえて1位になったこともあるそうです。そしてこの作品は日本でも2001年にBSで放送されていました。
No. | 事件名 | 発表年 | 邦訳 | 備考 | |
1 | モース警部、最大の事件 | 1993 | 早川文庫148-11 HPB1619 |
モース警部7編他 全11編 |
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1 | エヴァンス、初級ドイツ語を試みる | 1977 | 早川文庫「またあの夜明けがくる」('82) HMM'79.1 |
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2 | 世間の奴らは騙されやすい | 1981 | 早川文庫「パパとママに殺される」('83) HPB「現代イギリス・ミステリ傑作選2」('88) HMM'82.12 |
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3 | 花婿は消えた? | 1989 | HMM'91.6 | シャーロック・ホームズ | |
4 | モンティの拳銃 | 1992 | HMM'93.10 |
No. | 事件名 | 発表年 | 邦訳 | 備考 |
1 | The Double Crossing 行きつ戻りつ |
2003 | HMM'06.4 |
No. | 事件名 | 発表年 | 邦訳 | 備考 |
1 | モース警部 | 2009 | 早川書房「ヒーローの作り方─ミステリ作家21人が明かす人気キャラクター誕生秘話」('10) | オットー・ペンズラー編 |