マックス・カラドスと並ぶ盲目の名探偵
アメリカの作家ベイナード・ケンドリックの生み出した、盲目の名探偵。
背は非常に高く彫りの深い顔立ちをしていて、顔の表情は豊かであり、目は普通の人と変わらず一見すると不自由だとは分かりません。
そして普段は盲導犬のシュナックをそばに置き、護身と事件の捜査にはドレイストという警察犬を連れて行きます。
第一次世界大戦中は情報将校として活躍しましたが、失明したため退役を余儀なくされてしまいます。それからほどなくしてしばしば新聞に取り上げられる程の名探偵として有名になりますが、財産家のため探偵稼業はあくまで道楽であり、依頼を引き受けるかどうかは自分が興味を覚えたかどうかで決定。興味を覚えれば経費が自分の持ち出しになっても厭わず事件解決に全力を注ぎます。
マクレーン大尉はアーネスト・ブラマが創造し、ホームズ期に活躍した盲人探偵マックス・カラドスに刺激されて作られたキャラクターだということですが、しかし同時に著者ケンドリックはカラドスの持つ超人的な能力の数々には常々疑問を持っていたといいます。
そこでマクレーン大尉はカラドスのように超人的な能力を持つことはなく、視覚や第六感に頼ることなく、残りの四つの感覚、即ち触覚、聴覚、嗅覚、味覚だけから推理をすることができる実際的・現実的な探偵として描かれることになります。
もっともマクレーン大尉に盲人特有の”感”がない訳ではなく、著者自身が実際に盲人と接する中で経験したものだけが作中では用いられているとのことです。
そしてこれらの作品にリアリティーを持たせるため、ケンドリックは大尉のモデルともなった盲目の若い兵士と15年の長きに渡って交流していたということで、そのような現実的なキャラクター像はファンや評論家ばかりでなく、盲人たちからも大変な好評を博したそうです。
No. | 事件名 | 発表年 | 邦訳 | 備考 |
1 | The Last Express (最後の急行) |
1937 | - | 映画化 |
2 | The Whistling Hangman | - | ||
3 | The Odor of Violets (Eyes in the Night) |
1941 | - | |
4 | Blind Man's Bluff | 1943 | - | |
5 | Death Knell | 1945 | - | |
6 | 指はよく見る | HPB246 | ||
7 | You Die Today | 1952 | - | |
8 | Blind Allies | 1954 | - | |
9 | Reservations for Death | 1957 | - | |
10 | Clear and Present Danger | 1958 | - | スパイ小説 |
11 | The Aluminum Turtle (英 The Spear Gun Murders) |
1960 | - | |
12 | Frankincense and Murder | 1961 | - |
No. | 事件名 | 発表年 | 邦訳 | 備考 | |
1 | Make Mine Maclain | 1947 | - | ||
1 | The Silent Whistle | 1947 | - | ||
2 | Melody in Death | 1945 | - | ||
3 | The Murderer Who Wanted More | 1944 | - |
No. | 事件名 | 発表年 | 邦訳 | 備考 |
1 | 5-4=殺人犯人 | EQMM'58.7 | ||
2 | Silent Night | 1958 | - |