カナダのミステリー作家アラン・ブラッドリーの小説に登場する化学の大好きな11歳の少女探偵。海外ではファンクラブも結成されるなど既に高い人気を集めているようです。
舞台は1950年のイングランドの田舎町ビショプス・レーシー、フレーヴィアはこの町にあるバックショー荘で元軍人の父親と二人の姉、それに住み込みの庭師と通いの家政婦たちと暮らしています。
彼女の母親は彼女が生後間もない1歳の時に登山中の事故で他界しており、それ以来父親は趣味の切手収集に没頭し世捨て人のような生活。また2人合わせて30歳という姉たちとは意地悪をしたりされたりの関係ですが、そんな家族関係の中でフレーヴィアの心の支えとなっているのが化学でした。
それはとある秋の雨の日のこと、図書室でアルピニストの真似事をしていた時に亡き母の愛読書「化学入門」と出会ったことがきっかけで彼女は化学に興味を持つようになり、やがてその昔優秀な化学者になり損ねたターキン(通称ターおじさん)が遺した屋敷の東棟の最上階にある実験室(至聖所)で、ドイツ製の実験用具や膨大な数の化学薬品に囲まれて様々な化学実験に没頭する日々を送るようになります。
現在一番夢中になっているのは毒についてで、その知識は半端なものではなく独学で青酸カリの作り方も習得するほど。ところがある日正真正銘の本物の殺人事件に巻き込まれて…ここからこのフレーヴィアの物語がスタートすることになります。
おさげ髪に丸いレンズの眼鏡、歯には矯正ワイヤをはめている好奇心旺盛で、謎解きが大好きな可愛らしい11歳ですが、その一方で生意気で負けん気が強く「おちびちゃん」と呼ばれるのが何より嫌いで、「何かがほしければ本音を言うな」を処世訓にしているように悪知恵はよく働きます。
また自分でも認めるほどの嘘の名人であり、「かわいいだけの年齢を過ぎた頼りにならない存在」という一般的な11歳の立場を最大限に利用して言葉巧みに情報を収集していきます。
そして意地悪をしてくる姉たちに対してもじっくりと復讐のアイデアを練り実行するのを楽しんでいますが、その一方で心根はとても優しくなぜか憎めない一面も持ち合わせています。
No. | 事件名 | 発表年 | 邦訳 | 備考 |
1 | パイは小さな秘密を運ぶ | 2009 | 創元推理文庫136-2 | |
2 | The Weed That Strings the Hangman's Bag 人形遣いと絞首台 |
2010 | 創元推理文庫136-3 | |
3 | A Red Herring without Mustard 水晶玉は嘘をつく? |
創元推理文庫136-4 | ||
4 | I am Half Sick of Shadows サンタクロースは雪のなか |
2011 | 創元推理文庫136-5 | |
5 | Speaking from among the Bones | 2013 | - |
No. | 事件名 | 発表年 | 邦訳 | 備考 |
1 | Flavia de Luce 3-Book Bundle | 2011 | - |