イギリス黄金時代の本格作家ヘンリー・ウエイドの作品に数多く登場するシリーズ・キャラクターで、スコットランド・ヤードに所属する警部。
準男爵の家柄に生まれた作者のウエイドの育ちの良さがそのまま反映されたかのような好感の持てる紳士である一方、探偵としては超人的な推理を披露する天才型の名探偵というよりは、こつこつと自らの足で捜査し真相に一歩一歩迫っていくという、いわゆる凡人型・努力型の探偵といえます。
邦訳は長編は現在の所一作品のみで人物像は明確には分からない部分が多いのですが、作中ではアリバイ崩しなども多用されているらしく、凡人型であることを含めて、この辺りは黄金時代の代表的作家であるF・W・クロフツの生み出した探偵、ジョージフ・フレンチ警部を髣髴とさせるものがあります。
No. | 事件名 | 発表年 | 邦訳 | 備考 |
1 | The Duke of York's Steps (ヨーク公階段の死) |
1929 | - | |
2 | No Friendly Drop | 1931 | - | |
3 | 警察官よ汝を守れ | 1935 | 国書刊行会 世界探偵小説全集34('01) | |
4 | Bury Him Darkly | 1936 | - | |
5 | Lonely Magdalen | 1940 | - | |
6 | Too Soon to Die | 1953 | - | 半倒叙 |
7 | Gold Was Our Grave | 1954 | - |
No. | 事件名 | 発表年 | 邦訳 | 備考 | |
1 | Policeman's Lot (警官の仕事) |
1933 | - | クイーンの定員87 全13編 |
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1 | Duello 決闘 |
新青年'39新春増刊 | |||
2 | The Missing Undergraduate 大学生の失踪 |
新青年'38秋の増刊 | |||
3 | Wind in the East | - | |||
4 | The Sub-Branch | - | |||
5 | The Real Thing | - | |||
6 | The Baronet's Finger | - | |||
7 | 三つの鍵 | 創元推理文庫110-11「探偵小説の世紀/下」('85) 新青年'37特別増刊 |
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8 | A Matter of Luck このユダヤ人を見よ (この猶太人を見よ) |
宝石'57.6(12-8) 新青年'38新春増刊 |