「長くつ下のピッピ」で世界的に有名なスウェーデンの女流児童文学作家アストリッド・リンドグレーンの生み出した、少年探偵。
作中ではカッレ少年の他にアンデスという少年と男の子にも負けないおてんば娘のエーヴァ・ロッタの仲良し三人組が白バラ軍を結成し、遊び仲間の赤バラ軍を相手に「バラ戦争」なる対決に夢中になったり、古い城跡などを探検したり、時には罪のないいたずらを仕掛けたりして楽しい夏休みを過ごしているシーンから始まります。
そして不審な挙動をしている人物を発見したことに端を発して追跡調査を開始し、やがて普段から名探偵を夢見ている少年たちが大人顔負けの本物の事件に巻き込まれていく…という感じでストーリーが展開していきます。
毎日町内のパトロールを欠かさず、シャーロック・ホームズのように口にパイプをくわえて日頃から名探偵を夢想する少年の、スリルとサスペンスに溢れた探偵劇をユーモアなタッチで活き活きと描き出しており、まさに子供の心理を知り尽くした児童文学作家ならではの探偵小説といえるでしょう。
No. | 事件名 | 発表年 | 邦訳 | 備考 |
1 | 名探偵カッレくん | 1946 | 岩波少年文庫121('05) 岩波少年文庫3051('57) 岩波書店 リンドグレーン作品集8('65) 岩波書店 岩波少年少女文学全集11「さすらいの孤児ラスムス・名探偵カッレくん」('60) |
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2 | カッレくんの冒険 | 1951 | 岩波少年文庫122('07) 岩波少年文庫3052('58) 岩波書店 リンドグレーン作品集9('65) |
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3 | 名探偵カッレとスパイ団 | 1953 | 岩波少年文庫123('07) 岩波少年文庫3053('60) 岩波書店 リンドグレーン作品集10('65) |
国際アンデルセン賞 |