イギリスの小説家エドガー・ウォーレスの生み出した、「社会の害虫ども」を退治する任侠の士の集団です。
彼らは地球上で現在施行されている法律は不備だと信じて、自分たちで是正しようと立ち上がりますが、その是正方法というのが非常に過激なもの。「悪をもって悪を征す」の論法で、警察や法律が罰し得ないような悪人に天誅を加えることが彼らの主な活動であり、そのためなら手段の是非を問わず、殺人すらも躊躇わないというのが彼らの考え方です。
「正義の四人」と言われるようにメンバーは四人ですが、その構成員については三人は全編を通じていつも同じですが、後の一人は各編違った人物を補足してその人物がどんな人間かを最後まで明かさないやり方を貫いています。
もっともシリーズの後期に入るとこのやり方に限界を感じたのか、固定メンバーの三人だけになり、以後は「正義の三人」と呼ばれるようになります。
No. | 事件名 | 発表年 | 邦訳 | 備考 |
1 | 正義の四人 (正義の四人/ロンドン大包囲網) |
1905 | 長崎出版 海外ミステリGemコレクション7('07) 東都書房 世界推理小説大系14「フリーマン/ウォーレス集」('63) 博文館文庫68「渦巻く濃霧」('39) 改造社 世界大衆文学全集77「正義の人々」('31) 博文館 探偵傑作叢書48('26) 新青年'26.1-4 |
ウォーレスの処女作 |
2 | 正義の会議 | 1908 | 改造社 世界大衆文学全集77「正義の人々」('31) | |
3 | The Just Men of Cordova (コルドバの正義の人々) |
1917 | - | |
4 | The Three Just Men (正義の三人) |
1926 | - |
No. | 事件名 | 発表年 | 邦訳 | 備考 | |
1 | The Law of the Four Just Men (米 Again the Three Just Men) (正義の四人の法律) |
1921 | 改造社 世界大衆文学全集77「正義の人々」(抄訳)('31) | 邦訳は2~4の3編のみ | |
1 | The Man Who Died Twice 二度死んだ男 |
アルス「歌妓の秘密」('24) 新青年'22.12 |
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2 | アメリア・ジョーンズを憎んだ男 | ||||
3 | 蚯蚓(みみず)嫌ひの男 (蚯蚓嫌ひ) |
新青年'22.4春季増大 | |||
4 | クラファムに住んだ男 | ||||
5 | The Man Who Loved Music | - | |||
6 | The Man Who Was Acquitted | - | |||
7 | The Man Who Was Happy | - | |||
8 | The Man Who Was Plucked | - | |||
9 | The Man Who Could Not Speak | - | |||
10 | The Man with the Canine Teeth | - | |||
2 | Again the Three Just Men (米 The Law of the Three Just Men) (Again the Three) (又も三人) |
1929 | - | ||
1 | Mr. Levingron's Daughter | - | |||
2 | The Abductor | 1927 | - | ||
3 | The Englishman Konner | - | |||
4 | The Happy Travellers | - | |||
5 | The Lady from Brazil | - | |||
6 | 教会で歌った男 | 1912 | 早川書房87-1「シャーロック・ホームズのライヴァルたち1」('83) | 文豪ジェームズ・ヒルトンのベスト12の11位 | |
7 | The Marked Cheque | - | |||
8 | The Mystery of Mr. Drake | - | |||
9 | The Rebus | - | |||
10 | The Share Pusher | - | |||
11 | The Slane Mystery | - | |||
12 | The Third Coincidence | - | |||
13 | The Typist Who Saw Things | - |
【参考】「シャーロック・ホームズのライヴァルたち1」(早川書房 ハヤカワミステリ文庫)
「正義の人々」(改造社 世界大衆文学全集77)