現代アメリカで活躍する貴重な本格推理小説家。元ボクサーで骨格人類学者・行政経済学教授を経て作家に専念するようになります。
大学で教鞭をとっている時に執筆を思い立ち、47歳にして初めて作品を発表します。それが1982年の「恐怖の友情」でした。この作品にはスケルトン探偵が初登場しますが、スリラー小説に近いものでした。ちなみにスケルトン探偵がその本領を発揮し始めるのは次の第作「暗い森」からになります。
さてそのスケルトン探偵ギデオン・オリヴァー教授ですが、彼は骨を調べることで生前の姿を鮮やかに推理するという従来の推理小説にはない独特の特技を持っている探偵で、彼が推理を展開するシーンは、エルキンズが小さい頃よく読んでいたというシャーロック・ホームズを彷彿させるものがあります。そして妻ジュリーと旅行に行く先々で事件に巻き込まれるというのがいつものパターンです。
エルキンズは他にも美術館学芸員クリス・ノーグレンの活躍する美術ミステリーの作品や、ロマンス作家である妻シャーロット・エルキンズとの合作したシリーズも発表しています。
この点そもそも処女作の執筆も彼の妻の助言によるものだったそうで、スケルトン探偵ともども夫婦の仲が良くて羨ましい限りです。
No. | 事件名 | 発表年 | 邦訳 | 備考 |
1 | 偽りの名画 | 1987 | 早川文庫299-2 早川文庫ミステリアス・プレス40 |
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2 | 一瞬の光 | 1991 | 早川文庫ミステリアス・プレス67 | |
3 | 画商の罠 | 1993 | 早川文庫ミステリアス・プレス85 |
No. | 事件名 | 発表年 | 邦訳 | 備考 |
1 | A Wicked Slice 怪しいスライス ─プロゴルファー・リーの事件スコア1 |
1989 | 集英社文庫('11) | |
2 | Rotten Lies 悪夢の優勝カップ ─プロゴルファー・リーの事件スコア2 |
1995 | 集英社文庫('12) | |
3 | Nasty Breaks 邪悪なグリーン ─プロゴルファー・リーの事件スコア |
1997 | 集英社文庫('12) | |
4 | Where Have All the Birdies Gone? | 2004 | - | |
5 | On the Fringe | 2005 | - |
No. | 事件名 | 発表年 | 邦訳 | 備考 |
1 | 略奪 | 1999 | 講談社文庫('01) | 美術探偵リヴィア |
2 | Turncoat | 2002 | - | |
3 | The Worst Thing | 2011 | - |
No. | 事件名 | 発表年 | 邦訳 | 備考 |
1 | Dutch Treat 笑うオランダ人 |
1989 | 早川文庫ミステリアス・プレス「聖なる夜の犯罪」('90) HMM'90.12 |
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2 | Nice Gorilla かわいいゴリラ |
1992 | HMM'92.6 | シャーロット・エルキンズとの合作 |
3 | Shafted 九番アイアン |
1995 | EQ'98.7 | シャーロット・エルキンズとの合作 |
4 | A Slight Mistake 勘違い |
1997 | EQ'99.7 |
【参考】「偽りの名画」(早川書房 ハヤカワミステリ文庫)