GER キャメロン・マケイブ
(Cameron McCabe)
〔別名 アーネスト・ボーネマン (Ernest Borneman) 〕

編集室の床に落ちた顔
「編集室の床に落ちた顔」
(1937年)
(国書刊行会)

 ドイツの小説家。ベルリンに生まれ、青年期に精神分析学者ヴィルヘルム・ライヒと出会い、彼を助けて労働者向け診療所で働いていましたが、1933年のナチスの政権獲得とともに、社会主義者としてブラックリストに載ったため同年イギリスに政治亡命します。

 しばらくは労働許可も下りなかったためスポーツカーの運転やジャズの演奏をしたり、無給でBBCで勤務したりしていて、特にジャズに関してはその傾倒ぶりは後年にジャズに関する専門書を発表するほどであったといいます。またその一方で文章を書くことは禁じられていなかったため、英語の勉強も兼ねて執筆活動にも打ち込み始めました。

 その後労働許可が下りるとクライテリオン・フィルム社という映画会社で台本の校閲人として働き始めますが、その傍ら1937年に長編「編集室の床に落ちた顔」を英語で書き上げ、ゴランツ社に持ち込み即座に出版が決定。同作品はその恐るべき前衛性で批評家たちの注目を集めたのでした。。

  後年はカナダ、フランス、イタリアと活動の拠点を移し、晩年は性科学者としてオーストリアで研究生活に没頭したといいます。他に犯罪小説の「トレモロ」を1948年に発表している他、1954年にテレンス・フィッシャー監督により映画化された「音楽殺人」も彼の手によるものだそうです。


■作家ファイル■

本名
エルネスト・ヴィルヘルム・ユリウス・ボーネマン (Ernst Wilhelm Julius Bornemann)
出身地
ドイツ、ベルリン
生没
1915年4月12日~1995年6月4日
作家としての経歴
1937
亡命先のイギリスで長編ミステリー「編集室の床に落ちた顔」を英語で書き上げ、作中に登場する人物名と同じキャメロン・マケイブ名義でゴランツ社より刊行される
シリーズ探偵
 
代表作
「編集室の床に落ちた顔」

■著作リスト■

1 ミステリ作品

【長編】

No. 事件名 発表年 邦訳 備考
1 編集室の床に落ちた顔 1937 国書刊行会 世界探偵小説全集14('99)
2 Tremolo
(トレモロ)
1948 - 犯罪小説
3 Face the Music
(米 The Black Glove)
(音楽殺人)
- テレンス・フィッシャー監督により映画化('54)
4 Tomorrow is now: the adventures of Welfare Willy in search of a soul 1959 -
5 The Compromisers 1962 -
6 The Man Who Loved Women
(Landscape with Nudes)
1968 -

2 その他の作品

すべてアーネスト・ボーネマン名義

【エッセイ・評論その他】

No. 事件名 発表年 邦訳 備考
1 Swing Music. An Encyclopaedia of Jazz 1940 - ジャズに関する専門書
2 A Critic Looks at Jazz 1946 - ジャズに関する専門書

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