ドイツの小説家。ベルリンに生まれ、青年期に精神分析学者ヴィルヘルム・ライヒと出会い、彼を助けて労働者向け診療所で働いていましたが、1933年のナチスの政権獲得とともに、社会主義者としてブラックリストに載ったため同年イギリスに政治亡命します。
しばらくは労働許可も下りなかったためスポーツカーの運転やジャズの演奏をしたり、無給でBBCで勤務したりしていて、特にジャズに関してはその傾倒ぶりは後年にジャズに関する専門書を発表するほどであったといいます。またその一方で文章を書くことは禁じられていなかったため、英語の勉強も兼ねて執筆活動にも打ち込み始めました。
その後労働許可が下りるとクライテリオン・フィルム社という映画会社で台本の校閲人として働き始めますが、その傍ら1937年に長編「編集室の床に落ちた顔」を英語で書き上げ、ゴランツ社に持ち込み即座に出版が決定。同作品はその恐るべき前衛性で批評家たちの注目を集めたのでした。。
後年はカナダ、フランス、イタリアと活動の拠点を移し、晩年は性科学者としてオーストリアで研究生活に没頭したといいます。他に犯罪小説の「トレモロ」を1948年に発表している他、1954年にテレンス・フィッシャー監督により映画化された「音楽殺人」も彼の手によるものだそうです。
No. | 事件名 | 発表年 | 邦訳 | 備考 |
1 | 編集室の床に落ちた顔 | 1937 | 国書刊行会 世界探偵小説全集14('99) | |
2 | Tremolo (トレモロ) |
1948 | - | 犯罪小説 |
3 | Face the Music (米 The Black Glove) (音楽殺人) |
- | テレンス・フィッシャー監督により映画化('54) | |
4 | Tomorrow is now: the adventures of Welfare Willy in search of a soul | 1959 | - | |
5 | The Compromisers | 1962 | - | |
6 | The Man Who Loved Women (Landscape with Nudes) |
1968 | - |
すべてアーネスト・ボーネマン名義
No. | 事件名 | 発表年 | 邦訳 | 備考 |
1 | Swing Music. An Encyclopaedia of Jazz | 1940 | - | ジャズに関する専門書 |
2 | A Critic Looks at Jazz | 1946 | - | ジャズに関する専門書 |