シャーロキアンとして知られる女流児童文学作家
アメリカの女流児童文学作家。ニューヨークに生まれ、ニューヨーク大学を卒業後、プロのピアニスト兼児童文学作家として活躍しました。その他に詩も数多く発表しています。
ピアニストとしては本国アメリカだけでなく、メキシコやジャマイカなどでもリサイタルを開くほどの実力だったといいます。
ミステリの世界ではアーサー・コナン・ドイルの生み出した名探偵の代名詞シャーロック・ホームズの大ファン、即ち大のシャーロキアンとして知られ、ロサンゼルス・シャーロック・ホームズ協会の会長も務めています。
そしてそんなシャーロキアンである彼女の代表作というのが、ネズミが主人公のホームズパロディもの”ベイジル”シリーズで、全部で5冊を発表しています(うち4冊が邦訳)。
ちなみにこのシリーズは不可能犯罪の巨匠ジョン・ディクスン・カーと合作でホームズのパスティーシュ短編集「シャーロック・ホームズの功績」を発表したことでも知られるドイルの息子エイドリアンからも絶賛されています。
その他に彼女の一番の代表作として知られているのが、”ねずみのアナトール”を主人公にしたシリーズで、この作品はチーズが大好きなお父さんネズミのアナトールが、妻と6匹の子供たちの食べ物を探すために毎晩フランスのパリの大通りを舞台に奮闘する姿が描かれていきます。
このシリーズは計10作品が発表されていて、1966年には「アナトールとピアノ」が映画化され、日本では学校の国語の教科書にも採用されるなどしており、ネズミ=チーズが大好きというイメージを定着させたのもこのシリーズです。
このように彼女の発表した童話はそのほとんどがネズミを主人公にしたものですが、人間のために尽くそうとするネズミの細やかな心理描写などに見られるように見事なまでに擬人化されています。またネズミの視点から人間を観察し、人間世界を軽く諷刺したりする所にも特徴があると言われています。
No. | 事件名 | 発表年 | 邦訳 | 備考 |
1 | ねずみのとうさんアナトール (アナトール、工場へいく) |
1956 | 童話館('95) 文研出版 文研児童読書館「ねずみのアナトール」(72) |
ポール・ガルドン画 文研出版ははまだみちこ画 |
2 | Anatole and the Cat | 1957 | - | |
3 | アナトールとロボット | 1960 | 文研出版 文研児童読書館「ねずみのアナトール」(72) | |
4 | Anatole over Paris | 1961 | - | |
5 | Anatole and the Poodle | 1965 | - | |
6 | Anatole and the Piano (アナトールとピアノ) |
1966 | - | |
7 | Anatole and the Thirty Thieves | 1969 | - | |
8 | Anatole and the Toyshop | 1970 | - | |
9 | Anatole in Italy | 1973 | - | |
10 | Anatole and the Pied Piper | 1979 | - |
No. | 事件名 | 発表年 | 邦訳 | 備考 |
1 | でっかいねずみとちっちゃなライオン | 1962 | 大日本図書('79) | レオナード・ワイズガード画 |
2 | The Two Stonecutters | 1967 | - | |
3 | Mr Shaw's Shipshape Shoeshop | 1970 | - | |
4 | Why the Wind God Wept | 1972 | - | |
5 | The Kitten Who Couldn't Purr | 1991 | - | Amrei Fechnerとの合作 |