ＥＱＭＭで人気を集めるユーモア・ミステリー作家

ジェイムズ・パウエル
(James Powell)

「道化の町」
（2008年）
（河出書房新社）

　カナダの小説家。トロントに生まれ、トロント大学を卒業後パリのソルボンヌ大学に留学して１年間文学を学びました。

　その後マルセイユの学校で教師生活を経て母国カナダに帰国しますが、大手出版のダブルデイ社の編集者となったためにアメリカに移住。1960年まで同出版社の編集者生活、1962年までアイオワ州の地元紙での新聞記者生活を経て、1967年にペンシルヴェニア州のマリエッタに定住するまで各地を転々としていたといいます。

　作家デビューは1966年のことで、〈エラリー・クイーンズ・ミステリ・マガジン（ＥＱＭＭ）〉の４月号にギャネロン探偵社ものの短編小説「The Friends of Hector Jouvet」が掲載されました。そして以後は同誌を中心に120編もの中短編を発表しています。

　主なシリーズは４代にわたり地中海沿岸のリヴィエラ地方にあるサン・セバスティアーノ公国で探偵社を営んでいる、それぞれがまったく性格の異なるアンブローズ・ギャネロンという同じ名前を持つ４人の探偵たちの活躍を描いたギャネロン探偵社シリーズ、それにカナダ騎馬警察に所属する赤ら顔の大男ブロック巡査部長代理の活躍するシリーズなどがあります。

「あの手この手の犯罪」
（1975年）
（早川書房）

　これまでに著作は1990年に刊行された作品集たった１冊のみですが、1989年には代表作の短編「道化の町」でＥＱＭMの同年の読者人気投票で１位を獲得するなどＥＱＭＭでは常に人気作家として活躍していて、想像力に富んだユーモアミステリやアラビアンナイト風の作品や童話に題材を取った”ファンタジーと寓話物(Fantasy and Fable) ”と呼ばれるシリーズ、それにクリスマス・ストーリーなどで読者の人気を集めています。

■作家ファイル■

出身地

カナダ、トロント

学歴

トロント大学卒、パリ・ソルボンヌ大学留学

生没

1932年～

作家としての経歴

1966

〈エラリー・クイーンズ・ミステリ・マガジン（ＥＱＭＭ）〉の４月号に掲載されたギャネロン探偵社ものの短編小説「The Friends of Hector Jouvet」で作家デビュー

1989

短編「道化の町」でＥＱＭMの同年の読者人気投票で１位を獲得

1990

最初の作品集「A Murder Coming」が母国カナダで刊行される

2003

ＥＱＭＭで発表した短編「Bottm Walker」でカナダ推理作家協会（ＣＷC)が前年度の最優秀作品に与えるアーサー・エリス賞の短編部門を受賞

シリーズ探偵

アンブローズ・ギャネロン（ギャネロン探偵社） (Ambrose Ganelon)
メイナード・ブロック巡査部長代理 (The Acting Sergeant Maynard Bullock of the RCMP)
キャプテン・サンセット (Captain Sunset)

代表作

「道化の町」
「Bottm Walker」

■関連リンク■

１　ジェイムズ・パウエル公式サイト

■著作リスト■

１　アンブローズ・ギャネロン（ギャネロン探偵社）登場作品リスト

２　メイナード・ブロック巡査部長代理登場作品リスト

３　クリスマス・ストーリー

４　ファンタジーと寓話

５　White Swan

６　キャプテン・サンセット登場作品リスト

７　その他の作品

【短編集】

【日本で独自編纂の短編集】

【未収録短編】

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