安楽椅子探偵の始祖
史上初の安楽椅子探偵といわれる〈プリンス・ザレスキー〉シリーズの生みの親として有名なイギリスの作家。
シャーロック・ホームズが滝壺に姿を消した翌年、1895年に衝撃的なデビューしますが、わずか3つの短編を残したきり、その後ザレスキーものは書かれなくなってしまいます。
そしてそれから50年以上が経った1945年、シールが80歳のときにエラリイ・クイーンが推理短編コンテストを実施するのを耳にして、再びザレスキーものの筆を執り、短編「プリンス・ザレスキー再び」を書き上げます。
ところがその応募の途中でシールは高齢のためか意識を失い病院に担ぎ込まれ、回復したものの、その後原稿がどうなったか判らずじまいとなってしまいます。
それから2年経った1947年にシールは亡くなりますが、その紛失した原稿は数年経った1954年になって発見され、クイーンの手により発表に至るという劇的な運命を辿りました。
他にも怪奇・スリラー小説も多数発表しており、そちらでも有名な作家です。
No. | 事件名 | 発表年 | 邦訳 | 備考 |
1 | The Rajah's Sapphire | 1896 | - | |
2 | The Yellow Danger | 1898 | - | |
3 | The Weird O'It | 1902 | - | |
4 | Un to the Third Generation | 1903 | - | |
5 | The Evil That Men Do | 1904 | - | |
6 | The Lost Viol | 1905 | - | |
7 | The Late Tenant | 1906 | - | ゴードン・ホームズ名義 ルイス・トレーシーとの合作(再版からトレーシー名義) |
8 | By Force of Circumstances | 1909 | - | |
9 | How the Old Woman Got Home | 1927 | - | |
10 | Dr. Krasinskis Secret | 1929 | - | |
11 | The Black Box | 1930 | - | |
12 | Say Au R'Voir But Not Goodbye | 1933 | - |
No. | 事件名 | 発表年 | 邦訳 | 備考 | |
1 | The Pale Ape | 1911 | - | ||
1 | The Pale Ape 青白い猿 |
新人物往来社 怪奇幻想の文学5「怪物の時代」('77) | |||
2 | The House of Sound 音のする家 |
新人物往来社 怪奇幻想の文学4「恐怖の探究」('70) | |||
3 | The Bride 花嫁 |
国書刊行会「怪奇小説の世紀1」('92) | |||
2 | Here Comes the Lady | 1928 | - | ||
1 | The Tale of Henry & Rewana ヘンリとロウィーナの物語 |
河出文庫「イギリス怪談集」('90) | |||
3 | The Best Short Stories of M. P. Shiel | 1948 | - | ||
1 | モンク、木霊を呼び醒す | 創元推理文庫186-1「プリンス・ザレスキーの事件簿」 | |||
2 | Xelucha ゼリューシャ |
創元推理文庫「怪談の悦び」('92) | |||
4 | Xelucha and Others | 1975 | - | ||
5 | Prince Zaleski and Cummings King Monk | 1977 | - | ||
1 | モンク、『精霊の偉大さ』を定義す | 創元推理文庫186-1「プリンス・ザレスキーの事件簿」 | |||
2 | モンク、女たちを騒がす | カミングズ・キング・モンクもの | |||
3 | 推理の一問題 | ジョン・ゴーズワースとの合作 |
【参考】「プリンス・ザレスキーの事件簿」(東京創元社 創元推理文庫)