赤ら顔の好人物

UK アンブローズ・チタウィック
(Ambrose Chitterwick)

試行錯誤
「試行錯誤」
(1931年)
(東京創元社)

 イギリス黄金時代の本格作家アントニイ・バークリーがロジャー・シェリンガムとともに創造したもう一人の探偵。

 シェリンガム同様犯罪学の研究に関心を抱いていて、シェリンガムがしばしば推理ミスをするのに対して、こちらのチタウィックの方は事件を解決してくれる名探偵といっていい人物です。

 その風貌はふっくらとした赤ら顔に金縁の鼻眼鏡をかけ、髪の毛は薄い小柄な中年の紳士で、30歳の時から13年間、年老いた伯母のミス・チタウィックとともにロンドンのチジックに住んでいますが、彼女には頭が上がりません。性格は温厚で有名人の知人も多く、周囲から信頼されています。

 趣味は切手収集と人間観察で、人間観察をしている時に事件に巻き込まれたこともあります。


■原作■

アントニイ・バークリー
(Anthony Berkeley Cox 英 1893-1971)


■人物ファイル■

住所
イギリス、ロンドンのチジック(30歳の時から13年間伯母と同居)
趣味
犯罪学(9歳の時蝋人形館の〈戦慄の間〉を訪れて以来、その魅力に取り憑かれる)
人間観察(通りすがりの人物の性格や体質、職業などを推理)
切手蒐集
特技
犯罪者のプロファイリング(1955年以降のあらゆる殺人犯のプロフィールを記憶している)
協力者
伯母のミス・チタウィック
事件簿
3長編に登場

■事件ファイル■

【長編】

No. 事件名 発表年 邦訳 備考
1 毒入りチョコレート事件 1929 創元推理文庫123-5(新版)
創元推理文庫123-1
講談社文庫('77)
東都書房 世界推理小説大系18('62)
宝石'54.5-7
シェリンガムとの共演
EQアンケート13位
2 ピカデリーの殺人 1930 創元推理文庫123-3
3 試行錯誤
(トライアル&エラー)
(トライアル・エラー)
1931 創元推理文庫123-2
HPB424
東京創元社 世界推理小説全集69('58)
映画化「Flight from Destiny」('41)
TVドラマ化「Leave It to Todhunter」('58)
EQアンケート24位
P・G・ウッドハウスに捧げる

【映画原作】

No. 事件名 発表年 DVD 備考
1 Flight from Destiny(米) 1941 - 監督:ヴィンセント・シャーマン
脚本:バリー・トリヴァーズ
主演:ハーディー・オルブライト、ウィリー・ベスト
原作「試行錯誤」

【テレビ映画原作】

No. 事件名 発表年 DVD 備考
1 Leave It to Todhunter(英) 1958 - 監督:アンドリュー・オズボーン
脚本:パトリック・キャンベル
主演:キナストン・リーヴス、バラード・バークリー
原作「試行錯誤」、全6話

【参考】「ハヤカワミステリマガジン2000年6月号」(早川書房)
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