UK アントニイ・ゲスリン大佐
(Colonel Anthony Ruthven Gethryn)

鑢─名探偵ゲスリン登場
「鑢─名探偵ゲスリン登場」
(1924年)
(東京創元社)

 イギリス本格黄金時代の推理小説家フィリップ・マクドナルドの創造した名探偵。

 数学者の父とスペインからの亡命人である母親の間に生まれ、オックスフォード大学卒業後、弁護士資格を取得しますが弁護士にはならずにしばらく世界を周遊していました。
その直後第一次大戦が勃発すると入隊し歩兵として活躍、のちに情報部に移り情報部員として働き大佐にまで昇進、33歳で除隊します。

 除隊後は叔父チャールズの残した莫大な遺産と屋敷を相続したため自由気ままな暮らしを始め、小説などを書いたりしていましたが、その後友人であるヘイスティングズとともに新聞社を設立、〈梟(ふくろう)〉紙を発刊します。

 鋭い頭脳とセンスのいいユーモア感覚で人々の信頼も厚く、「鑢」以降の数多くの作品で名探偵ぶりを発揮します。「鑢」の後は結婚もして、男の子供が一人生まれました。


■原作■

フィリップ・マクドナルド
(Philip MacDonald 英 1900-1980)


■人物ファイル■

学歴
オックスフォード大学卒
職業
大学卒業後弁護士資格を取得するも、第一次世界大戦が勃発したためこれに従軍。情報活動に活躍する
除隊した後は叔父チャールズの遺産を相続し、小説を書きながら気ままな暮らしを始める
その後親友のヘイスティングズとと新聞社を作り、〈梟〉紙を刊行
協力者
ヤード副総監サー・エグバート・ルーカス
アーノルド・バイク警視
ゲスリンの旧友で〈梟〉紙の編集者スペンサー・ヘイスティングズ
記者のフランシス・ダイソンとウォルター・フラッド
ゲスリン家の執事ホワイト、メイドのマーガレット
妻のルーシア・ル・メスリエ、息子のアラン

■事件ファイル■

【長編】

No. 事件名 発表年 邦訳 備考
1 鑢 ─名探偵ゲスリン登場
(鑢(やすり))
1924 創元推理文庫171-2
HPB248
宝石'54.11-12(9-13~14)
新青年'38新春増刊
2 The White Crow 1928 -
3 The Noose 1930 -
4 The Link -
5 迷路 1931 HPB1687
HMM'81.7-8
米版は1931年刊行
英版は1932年改題刊行
6 Murder Gone Mad -
7 The Wraith -
8 The Choice
(米 The Polferry Riddle)
(米改 The Polferry Mystery)
-
9 The Crime Conductor -
10 Rope to Spare 1932 -
11 Death on My Left 1933 -
12 Xに対する逮捕状
(Xにたいする逮捕状)
1938 創元推理文庫171-5
国書刊行会 世界探偵小説全集3('94)
浪速書房('63)
13 エイドリアン・メッセンジャーのリスト
(ゲスリン最後の事件)
1959 創元推理文庫171-3

【短編集】

No. 事件名 発表年 邦訳 備考
1 Fingers of Fear
(米 Something to Hide)
(隠されたもの)
1952 - クイーンの定員108
MWA賞短編賞('53)
全6編
1 木を見て森を見ず
(目に入らない森)
HPB252「名探偵登場3」('56)
六興出版部 六興推理小説選書109「ライノクス殺人事件」

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