怪盗 ロムニー・プリングル
(Romney Pringle)

　シャーロック・ホームズのライヴァルとして名高いソーンダイク博士ものの作者オースチン・フリーマンが作家活動の最初期に友人の医師ジョン・ジェームズ・ピトケアン博士と合作して発表した怪盗小説シリーズ。

　計２冊の短編集が刊行されていますが、１冊目の短編集「ロムニー・プリングルの冒険」は稀覯本として有名らしく、ミステリの収集家としても有名だったエラリー・クイーンの手により発掘され、〈クイーンの定員〉にも選ばれています。

　ロムニー・プリングルは普段は裕福な文芸代理人を装い、自転車を愛用しハヴァナ葉巻を吸うスポーツマンタイプのハンサムな男ですが、その正体は変装の名人であり紳士泥棒として名高いラッフルズの系統に属する怪盗紳士です。

　かなりの資産をたくわえ中年過ぎにはケント州東部の港町サンドウィジに隠遁し、稀覯書や長年にわたって収集した古代の宝石類を整理したりして一人気ままに暮らしています。